ノルサランヘ~君を愛してる~

第18夜【冥府の館】


急きょ、任務に行くことになった彼女。現地にて、ファインダーから詳しいことを聞いた。

『【冥府の館(めいふのやかた)】?…どゆこと?(汗)』

「亡くなった方に会える。入ったら最後、同じ人間で帰ってこない。帰って来れないかもしれない。などと言う噂があるのです」

『それでなんで、冥府なの?(汗)』

「普通、亡くなった人には会えないことと、黄泉の世界を体験すると悟りが開け、生き方に余裕が出ると言うことだと思います。それと、黄泉の世界に引きずり込まれると言う意味が、含まれているのだと思いますよ」

「実は、その館には人が住んでいるんです。その人が、訪れた人を介抱している内に、流れた噂みたいなんですよ」

「カウンセラーが、主な目的のようなんです。何人か中に入って、出てきた方を見たんですけど…少しスッキリとした顔をされていたようでした…。それと、二回目に来られた方の様子が変でして、出てくるのを待っていたのですが…出てこなかったんです…」

『ん~…カウンセラーねぇ…医者が、カウンセラーとか言って、アクマの材料にする為に集めてる…なんてブローカーも居たからなぁ…』

「やはり、怪しいですよね」

「今回は、危険性を考えて、エクソシスト様を呼ばせていただきました」

『様はやめようよ(苦笑)』
そんなことを言いながら、例の館に向かった。とりあえず、この格好は目立つので、全員がマントを羽織る。本当にアクマに関係しているのだとすれば、団服を見ただけで、バレてしまうかもしれないからだ。館の呼び鈴を鳴らすと…
「いらっしゃいませ(微笑)…ご用件は何かしら?」
とりあえず、癒し系の女性が出てきた。
「汚ならしいなりで申し訳ありません。我々は旅をしておりまして、この街に立ち寄りました。その時、ここの話を伺い、足を運んだ限りです」

『私達はみんな、大切な人を亡くしました…ここに来れば、何かが変わるのではないかと思いまして…』

「そうなの…それなら、どうぞ。…中でゆっくり、主人が聞いてくださいます」
ロビーに来ると、奥からお姉様系の女性が出迎えた。
「こちらが、家の主人でございます。…お嬢様、この方々は旅をなされているそうです。…皆様、救いを求めていらっしゃいました」

「それは大変ですね。わたくしはカリスと申します。救いを求める方は拒みませんわ。わたくしが順番に話を聞かせていただきます(にこり)」
ファインダー達は別の部屋に案内され、彼女とカリスだけが個室に移動した。薄暗いところに二人だけ。
「それでは、始めましょうか…リラックスしてちょうだいね…」

『よろしくお願いいたします(ペコリ)』
カリスは薄く微笑んでから…
「先ほども少し聞いたけれど…大切な方を亡くされたそうね…」

『はい…少し前に…』

「その方は、どんな方だったのかしら?」

『普段は、明るくて能天気におちゃらけてるイメージですど…ホントは、筋がしっかりと通っていて…とてもかっこいいんです』
あれ?なんか、ラビに似てる?
「それは、貴女の何かしら?」

『大好きなお父さんです』
そっかぁ…私の好みのタイプって、お父さんだったんだ…
「そう、お父様。お父様は、なぜ、亡くなられたの?」

『実は、初め風邪だと思っていたんです。けど…急に倒れて…検査をしてみると、末期の病でした。油断せずに、医者にかかっていれば、死なずにすんだのにっ(泣)』
本当のことを話していたせいか、自然と涙が出てしまった。少し、頭がボーッとしてくる。カリスがハンカチを差し出してきた。そして…
「お父様と話せるって言ったら、どうする?(微笑)」

『え?』

「貴女の大切な方に会わせてあげるわ。ねぇ…会いたいと思わない…?(にこり)」
そう言われた途端に、意識が変になった。
『…あい、たい…翼(たすく)父さんに、会いたいっ』
何も考えられなくなっていたのだ…ここが、敵の巣窟だと言うことも…。
「良い子ね…じゃぁ…この紙に名前を書いてくれるかしら。神様が貴女の願いを叶えてくれるわ(にこり)」

『はい…』
言われるがままに、差し出された紙に、"本当の"名前を書こうとする。しかし…
「わぁー!!!!」

「あ、アクマだぁー!(汗)」
別の部屋に居るはずのファインダー達の声が聞こえてきた。そのお陰で、彼女は正気に戻る。
『…っ!・・・・今のはっ(びっくり)』
ファインダー達の声!…ていゆうか、私…今、何しようとしてたのっ!?(汗)
「チッ、正気に戻っちゃったわ」

『何なの、あなたは!私に何をしたの!?』

「ちょっと催眠術にかかってもらっただけよ(笑)」

『なるほどね…催眠術で操り、この変な紙に名前を書かせて、何かの契約をさせる…ってとこかな?』

「あら…案外、頭が良いようね…その通りよ(微笑)」

『やっぱり、あなたは伯爵の手先…ブローカーなのね…(汗)』

「ブローカー?…フンッ、そんなバカな人間と一緒にしないでちょうだい!…わたくしは、自分の為じゃなくて、伯爵様の為に、アクマを増やしているのよっ。それより貴女こそ、何者かしら?」

『伯爵関連だとわかれば、隠す必要はないね…私は、エクソシストよ…』
この人…アクマ?…しかも、レベル2?(汗)

彼女はマントを脱ぎ捨てる。
「あら、エクソシストだったのぉ…じゃあ、あのお付き共はファインダーかしら…贄にして正解ねぇ(にんまり)」

『なっ!…あの人達に何をしたの!?』
そうだ!さっき、悲鳴がっ(汗)
「何って、エクソシストなんだからわかるでしょう?…アクマの成長の仕方…本当は貴女も贄の予定だったのよ。だけど、いい具合に術にはまったから、仲間にしようとしたの。あの大切なお父様のことは、本当のようだったからね(笑)」

『…イノセンス発動…!!(怒)』
許さない…絶対…!敵の罠にはまった私にも責任があるけどっ、ファインダー達を!!それに、弱味を使って操るなんて!

彼女は槍を構え、飛びかかった。それをヒラリと交わされる。
「あらあら、いきなり攻撃してくるなんて、お下品よ。それとも、何か勘に障ることをゆったかしら?(笑)」

『黙れっ、このアクマ!』

「うふふ…わたくしを怒らせたいのかしら?(にこり)」
次の瞬間、カリスはボディをコンバートさせた。
「さぁて、貴女にわたくしが倒せるかしら?(にんまり)」
こうして、本当にレベル2だったカリスとの戦いが始まった。しかし、彼女の攻撃はほとんど、交わされてしまい、カリスには届かなかった。そして、次第に追い詰められていく。カリスは小細工なしに強かった。そのせいか、廊下に吹き飛ばされる彼女。背中を強く打ち付け、右腕に傷をおっていた。
「追い詰めたようねぇ(にんまり)」

『クッ(汗)』
ヤバいっ、力の差がありすぎる

そんな時…
「災厄招来!(界蟲一幻!!)」
無数の竜の頭部がつらなったような奇妙なものが、カリスを部屋の中に吹き飛ばした。その爆風の煙から現れたのは…
「死んでねぇみたいだな、ひよっ子」
ひよっ子とは、彼女のあだ名のようだ。そんなことより…
『か、神田!?(びっくり)』
なんで、ここにっ
「ソニョさん!」
声に驚いて振り返る彼女。
『…っ!(汗)・・・・・生きてたんだ(ほっ)』
よかった…神田が助けてくれたんだ…
「勝手に殺さないでください(泣)」

『ごめんごめん(苦笑)』
一先ず、場所を移動。傷の具合を見てもらう。
「これは酷いですね…ちゃんとした治療をした方が良さそうですよ…(汗)」

『そっかぁ』
まずったなぁ…しかも、全然、歯が立たなかった…

応急措置をしてもらいながら、彼女はそんなことを思っていた。ファインダーが、他の人の傷を見ている時、神田が…
「お前…弱いな…」

『…っ!(汗)』
痛いとこを突かれた。彼女は、顔をそらし…
『・・・・そんなこと、自分が一番わかってるよっ』
そうだ。私は弱い…だから、強くなろうとしているんだ…

彼女の瞳に、うっすらと涙が浮かぶ。神田に言われたからではない…自分の実力がまったく、進歩しないことが悔しかったからだ…。
「・・・・」
急に何も言わなくなる。沈黙が訪れた。二人の様子に気づいたファインダー達が…
「…ソニョさんが泣いてる…(ボソッ)」

「…泣かしたんじゃないですか…(ボソッ)」

「…女の子を泣かすなんて…(ボソッ)」
こそこそと話す。たぶん、本人達は聞こえてないと思っているのだろうが、反響していて、よく聞こえた。
「チッ」

『あ…えと…聞こえてますよ(苦笑)』

「「「…っ!?(びっくり)」」」

「い、一旦っ、外に出て、体勢を立て直しましょう!(汗)」


慌てるファインダーに促されながら、一旦、館から出る一同。傷ついた体を引き摺りながら、宿に向かった。レベル2の能力とは?まだ、ほんの触りなのでした。


第18夜 END