ノルサランヘ~君を愛してる~

第17夜【手紙】


彼女は原因不明で、医務室に運ばれた。熱がある訳でも、何かの病気になった訳でもなかった。なのに、彼女は目を覚まさず、一日が過ぎていく。そう丸一日、眠り続けたのだ。

「本当に、どうしたのかしら(汗)」

「もしかしたら、記憶喪失の後遺症かもしれませんね」

「最近、ソニョさんの様子で、気になることはないですか?」

「気になること?…私には、わからないわ…会う機会も少なかったし(汗)」

「そうですかぁ…」

「…ラビだったら、何かわかるんだろうなぁ…(ボソッ)」
リナリーは、あれから眠り続けている彼女を、心配そうに眺めた。


彼女は夢を見ていた。

ここは…教団の廊下…?なんで私、こんなところに?

彼女の横を、ラビが走り抜けていった。

あっ!ラビ!!

彼女の声に、ラビは答えず、扉が開いた部屋に入って行った。

どゆこと?私の声が聞こえてない?…ゆめ…?(汗)

彼女が立ち尽くしていると、ラビが入った部屋から揉めるような声が聞こえてきた。そして、何かが壊れるような音も。

なに!?どうしたの?…ラビ…!(汗)

彼女も部屋に向かう。しかし、部屋の光景を見て、動けなくなってしまった。

そんな…これって…ダグっ。いや、コレット?(汗)…ラビっ、私、私っ、どうしたら…

愕然とする彼女の目の前で、ラビが、"レベル2のアクマ"を破壊する。苦痛の表情で…

いやぁー!!!!

彼女は耐えられなかった。こんなところなんて、リアルに見たくはなかったから。実際に見て、感じてしまったからこそ、この瞬間をなかったことにしたかった。座り込んだ彼女とたたずむラビとの目線が合う。そこで…
『ん…』
目が覚めた。そこにリナリーと医務員が…
「ソニョ!気分はどう?(汗)」

「ソニョさん!!大丈夫ですか!?(汗)」

『うん…大丈夫みたい…心配かけたみたいで、ごめんね(苦笑)』
今の夢って…小説版の…(汗)
「いえ、お目覚めになって、よかったです…眠り続けていましたから…」

「ソニョ、とりあえず、このまま体を休めてね。今日一日、休みにしてあるから」
こうして、医務室で休養することとなった。しかし、あの夢のせいで、あまり眠れなくなってしまった彼女。あれは、悪夢でしかないのだ。


次の日の朝、リナリーがやってきて…

「ソニョ、あなた宛に、ヴァチカンに手紙が二つも着てたって……はい。これがそうよ(微笑)」
本部の場所は秘密な為、ヴァチカンに送ったのだろう。
『手紙?(キョトン)』
誰からだろ?

手紙を受け取って、宛名を見てみる。
『サーラちゃんとメーティスから!?(びっくり)』
それは、動くぬいぐるみと山賊騒動で知り合った二人からの手紙だった。先ずは、メーティスの手紙を開ける。そこには…

ねぇさん!あの時は、ホントにありがとな。お頭とはうまくいってるぜ。お頭に、昔の罪のこと話したんだけど、ねぇさんの言う通り、愛には関係ないって言ってくれたんだ。ホントにありがとう!!
そういえば、僕ら山賊は今、バギー使って、村の奴らと共存してるぜ。山の果物や木の実とか。樹を運んだりとかだぜ。僕は、バギーの腕を見込まれて、街から村の郵便配達を任されてるんだ。ホントこっちは仲良く、楽しくやってるぜ!
そうそう、ねぇさんのことだから、まだ恋愛禁止野郎に尽くしてんだろうな。でもさ、お頭に気に入られるねぇさんなら、ソイツもノックアウト出来るぜ!やっちまえよ、ねぇさん!!
『プッ(笑)』
彼女は思わず、吹き出していた。
『ちょっとメーティス…やっちまえって…(笑)』
でもまぁ…幸せそうでなによりだよ…

そう思いながら、最後の文面を読む。

ねぇさんのやってることは、すんげー大変なんだろうけど、頑張って役目を果たしてくれよな。僕ら山賊一味は、いつでも応援してるぜ。
『…役目…』
私の役目ってなんだろ?

そんなことを思いながら、サーラからの手紙に手を伸ばす。そこには…

お姉ちゃん、久しぶり。元気にしてる?また、熱なんて出してないよね?私、ちょっと心配かな。お姉ちゃんて、しっかりしてるようで、どこか抜けてるよね。
『あっ、ひどぉ~い(笑)』
そうそう、ママに会ったんだって?しかも、サザーランドがお姉ちゃん達のこと話してくれてたんだってね。そのこと聞いた時、すごく嬉しかったんだ!あの時、サザーランドはママが生きてるって知ってたから、命懸けで助けてくれたんだよね、きっと。だから私、この命、大切にしていこうと思うんだ。サザーランドの分まで。
そうそう、サザーランドのぬいぐるみ、ありがとう。ずっと大切にするよ。今はママと一緒に暮らしてて、すごく幸せなんだ!!
それから、お姉ちゃん。ラビのお兄ちゃんとは、どうなったの?私、二人はお似合いなカップルだと思うよ。
『サーラちゃん(苦笑)』
小さいくせに、生意気だぞぉ。でも、元気そうだなぁ(微笑)

そう思いながら、最後の文面へ。

お姉ちゃん達のしてることは、すごいことだと思うよ。だから頑張ってね!私、応援してるから、お姉ちゃんには、お姉ちゃんにしか出来ない役目を果たしてね。
『私にしか出来ない役目…か…』
それって…もしかして…未来を変えること?

そこで、あることを思い出し…
『あっ!リナリー!!(汗)』
部屋で医療班の手伝いをしていたリナリーに声をかけた。
「どうしたの?…急に?」

『アレンと神田の任務、どうなったのかな!?(汗)』
どこまで進んでるんだろ?
「え?(キョトン)…とりあえず、アクマは倒したって報告は受けたみたいよ。それが、どうかした?」

『…終わった…』
てことは今、神田は入院中…三日後にはララが…止まる。【土翁と空夜のアリア】は、一、二を争うほど人気のある話だ。私も好き…でも…もうすぐ(汗)
「ソニョ?」
リナリーは不思議そうに、首をかしげた。
『あっ、ごめんごめん(苦笑)…ちょっと、気になっただけだよ。…ほら、神田と一緒だから、アレンも大変だったんだろうなぁって。神田はあぁゆう性格だし(汗)』

「そうよねぇ。行く前も喧嘩してたみたいだし(苦笑)」

『でしょ?(苦笑)』
あはは…と彼女は笑った。このあと、また休むからと、一人になる。

私の役目…未来を変えることだよね…その為には、強くならなくちゃ。今の私じゃ、レベル2には勝てない。あの夢のようには、絶対させないっ

自分のすべきことをあらたにする彼女だった。その午後、コムイがやってきた。
「ソニョくん。こんな状況で言い難いんだけど…任務に行ってくれるかい…?(汗)」

「室長!倒れて日も浅いですし、まだ駄目ですよっ。原因も不明ですから(汗)」
医療班の医務員が、抗議の声をあげた。しかし…
『私、行きます!』
強くなるには、やっぱ、実戦が一番だっ
「ソニョさん!なに言ってるんですか!?もう少し、安静にっ」

『大丈夫ですよ。もうすっかりいいですから…あなた達のお陰です…(微笑)』

「ソニョさん…(汗)」

「本当にすまない。今、君しかいないんだよ」

『気にしないでください。それがエクソシストとしての仕事ですから』

「ソニョくん・・・・・えぇと、今すぐに準備、出来そうかな?」

『はい!』


倒れて一日足らずにも関わらず、彼女は任務に出かけて行った。彼女の役目は、本当に未来を変えることなのか?今回の任務で起こることなど、知るよしもないのでした。


第17夜 END