ノルサランヘ~君を愛してる~

第3夜【共有と現状】


私の対アクマ武器は、刃が三つある長槍で、どうやら大きさを変えられる装備型だ。刃の反対側の先には、藍色の玉がついている。そんなことはさておき、とりあえず、ヘブラスカの間から出た。

「さてと…一先ず、君は体を休めて…どうやら、無理をしているみたいだからね」

『すいません(汗)』
うへぇ…あれだけラビに支えられてりゃ、気づくよね…頭痛いよぉ(泣)
「コムイ、コイツは俺が医務室まで連れて行くさ。だから、仕事に戻っていいぜ」

「あぁ、よろしく頼むよ」
そう言って、室長は背を向けて、歩いて行った。
「さてと…俺らも行くさ…」
そして、ラビも歩き出すのだが…
『あ…ねぇ…そっちからじゃ、医務室には遠回りになるんじゃない?』

「・・・・やっぱ、お前、記憶喪失なんて可笑しいさ。俺のことも教団のことも知りすぎさっ」

『え?(汗)』
ヤバッ、わざと間違えて鎌をかけたんだ…余計なこと言い過ぎちゃったよぉ…(泣)
「さっきから可笑しいことばっかりさ。今思えば、見つけた場所も変だったさっ」

『場所?…私は…(汗)』

「あぁ…お前はなぁ、外の森でもエントランスでもなけりゃ地下水路のとこでもねぇ、大聖堂で見つけたんさっ。正門を通ったならみんな気づくさ。地下水路からなんて到底無理だっ。なら、どうやって大聖堂に行くんさ?…中には、場所を移動できる能力を持つ奴もいるかもしんねぇけど。けどっ、お前は、ついさっき手にしたばかりさっ」

『ラビ…』
やっぱ、ラビには隠し通せないよね
「説明してくれさっ」

『これだけは始めに言っとくね…私も、大聖堂に居た理由はわからない…そして、記憶喪失でもなんでもないの。でも、ここではソニョ・ハルリュって呼んで欲しい』

「どういうことさ?(汗)」
困ったように笑いながら、彼女は、話せる限りのことを話した。自分は、実は、この世界の人間じゃないこと。自分達の世界では、ここは本の中の世界で、好きな本だということ。だから、ほとんどのことを知っているのだと。
『なんだか騙してたみたい、ごめんなさい…でも、こんなこと信じられないよね…』
どうしよ…私、嫌われちゃったかな…?

そう思って、うつむく。けれど、次の瞬間、頭がぐらつき、体を支えられなくなった。
「おとっ(汗)」
ラビが倒れる寸前のところで受け止める。
『あ…ありがとう…(苦笑)』
また、助けられちゃったなぁ

お礼を言うが、ラビは黙っていた。けれど、受け止めた状態のまま、やっと口を開く。
「・・・・お前の言い分はわかったさ。だけど、まだ信じられないさぁ…何か証明できることはないさ?…ここに居る奴らすら知らないこととか」

『知らないこと?・・・・・ラビっていうのがホントの名前じゃなくて、教団という記録地(ログ)の為に変えた49個目の名前だってことを私は知ってる。たまたま、教団側だってことも』

「…っ!?(汗)」

『流れ弾丸に当たって生死の境をさ迷ったことがあるとか。その時、ブックマンの髪を掴んでいたせいで、散々文句を言われたことがあるとか…ねぇ…信じてくれた?(苦笑)』

「本当…なんだな…(汗)」

『うん(苦笑)』

「わかった。お前の言ってることを信じるさ。まぁ…今は、とりあえず、医務室に行くさ…これ以上、体調崩されたら、俺が怒られるさぁ(苦笑)」

『あはは…(苦笑)・・・・って、え!?ラビっ!?(びっくり)』
ラビは彼女を、持ち上げ、歩き出した。いわゆるお姫様抱っこという奴である。
『ちょっ、おろしてよ!歩けるってばっ(汗)』
嬉しいけど、恥ずかしいよぉ
「なに言ってるさぁ。さっきの言葉、聞いてなかったんさ?…また、倒れられても困るからなぁ(笑)…そいやぁ、こうやって運ぶのは、お前を見つけた時とおんなじさ(にっ)」

『うぅ~…////』
ズルいよ、その笑顔っ!てか、ラビの団服一枚でこれってっ////…あ~ぁ、やっぱラビが好きなんだねぇ…私って……絶対、かなわない恋だけど

そんなことを思いながら、観念して、ラビに体を預ける。そして、今度こそ、医務室へと向かって行った。その途中で…
『ねぇ、アレンや神田は任務?…見かけないけど…』

「あぁ、任務さぁ…って、アレン?…誰さ?そんな奴いたかなぁ?」

『え?(汗)』
アレンを知らない?…いや、ちょっと待って…漫画通りにいくなら当然なのかも。ラビとアレンは、巻き戻しの街が終わった後、クロス捜索任務からだから、まだ会わないんだ
「ソニョ?(キョトン)」

『あっ、ごめん(汗)…間違えたみたい…(苦笑)』
とりあえず、まだ言わない方がいいよね
「そか・・・・あっ!…おぉ~い、ダグぅ♪(笑)」
角から曲がってきた人物に、声をかけるラビ。しかし、彼女はただ、その振り返った人物を凝視した。

嘘…ダグが居る…いや、待て待て!小説の内容も加わっているのなら、アレンのことを考えるとあってるんだ(汗)…ダグの話は、巻き戻しの街に行く直前なんだから…
「ラビ!・・・・えと…その子は?(汗)」

「ソニョ・ハルリュっていうんさぁ。コイツもエクソシストさ」

「そうなんだ。ソニョさん、僕はファインダーで、ダグっていいます(微笑)」

『あ…よろしくお願いいたします…(ペコリ)』

「こちらこそ、よろしくお願いいたします(にこり)…ところで、なんでラビが抱えてるの?」

「実は、体調悪いのに無理して歩くから、俺が医務室まで運んで行くとこさぁ」

「体調悪いの!?じゃぁ、こんなところで油を売ってる場合じゃないよ、ラビ!…早く運びなよっ(汗)」

「あはは…(笑)んじゃ、行くさぁ。…また今度なダグ♪」

「うん(微笑)」
こうして、ダグと別れ、再び医務室へ。
『ラビ…ダグって、優しすぎるよね…』
だから、あんなことになるんだ…会って、わかっちゃった…
「まぁ、確かに甘いところもあるけど、やることはちゃんとやるぜ?(にっ)」

『うん…そだね…(苦笑)』
どうしよ。やっぱ、言っちゃダメなのかな?…知ってることが、こんなに辛いなんて…


彼女は、感情を表に出さないようにした…ラビの腕の中で…。そう、憧れの世界はまだ、偉大な【時の破壊者】を迎えてはいない。それ以前に、自分がどうするべきなのか、わからなかった。自分はなぜ、ここに居るのか?憧れの世界を楽しむ余裕が、彼女から次第に薄れていくのでした。


第3夜 END