今、疲れたので、自室へ帰って居るところ。今日は、いろんな事がありすぎた。
そして、ラグエル・マグナス…彼と会ってから、胸がざわつく…。
彼と昔会った事が?…いや、知らない…彼も…あれ?…彼は"初めまして"とは言っていなかったような?(汗)
そんな考え事をしながら歩く。すると、曲がり角の影から現れた人物に気づかず、ぶつかった。そして、ドンッという音を立てて、お互いにしりもちをつく。
「「いたたた…」」
妙に、言葉がハモった。これだけで、誰だかわかる。
「「…お前か…」」
そう呟いたのも一緒だった。そして、お互い、自力で立つ。なんだか、気まずい雰囲気をかもし出した。どうやら、向こうにも落ち度があるらしい。
「「…ごめん」」
またハモった。お互い、キョトンとした顔で見つめ会う。
「「・・・・・・」」
ものの数秒のはずなのに、やたらに長く感じた。この沈黙を破ったのは、ふたりの笑い声。
実は、お互いに、仲がいいとは思っていないのに、なぜか、気を許すことが出来ていたのだ。
「ホントごめん、考え事してたんだ(苦笑)」
「僕もだよ、ごめんな(苦笑)」
「なんだ、そうだったのか、じゃぁおあいこだな」
「そうだな。あっ、そうそう、あの変人には会った?」
「あぁ…あの変人ね…さっき紹介されたよ」
変人で、話が通じてる時点で、ある意味すごい会話だ。ふたりでは、よくある…考えてる事が同じだから…。いつもはラビが突っ込んでくれるのだが、今は居ない為、そのまま話が進む。
あの変人、ホントに補佐人として大丈夫か?とか、科学班には変人が集まってくるとか、そんな話をしながら自室に向かう。
実は、同じ方向に、ふたりの自室はあるのだ。
それから、幾分かたった頃。
「…あの変人さ…昔、僕らと会った事ある…かな…?」
不意の質問に、数秒の沈黙。
「…どう、だろな…僕にもわからないんだ…アイツに会ってから胸がざわついて…」
「お前もなのか!?」
「てことは、お前も?(汗)」
「あぁ!…さっき、考え事してたって言ったよな?…あれ、ラグエルの事だ」
「僕もだ!僕もラグエルの事、考えてて」
「やっぱ、会った事あるのか!?」
「いや、まったく覚えがない(汗)」
「そうだよなぁ…僕も覚えがないんだ…やっぱ、無い記憶かな?」
「だとしても、なんでラグエルは言って来ないんだ?」
「だよなぁ…(汗)」
「やっぱ…」
「「…様子を見るしかないか…」」
またしてもハモる。ふたりは、プッと吹き出して笑った。そして…
「「まぁ、お互い、何か思い出したら報告って事で(笑)」」
お互い、自室に帰って行く。
同じ気持ちの者が居るのが…こんなにも心強い事を…この時、初めて知った。
そして、無くなった記憶にも、本の少しだけ、興味がわいた日だった。