猫の胸壁再建術 | 動物の「がん」と戦う獣医さん

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猫のマイコちゃんは脇腹のしこりに気づいて来院されました。
動物の「がん」と戦う獣医さん-文句あっか?

しこりはろっ骨を取り囲むように存在しています。
動物の「がん」と戦う獣医さん-ごろーんの図

病理検査の結果は、「傍骨性骨肉腫」


骨肉腫は骨の悪性腫瘍ですが、骨の周囲から発生した場合はこの名前になります。


骨肉腫は他の悪性腫瘍に比べて、局所浸潤性が強く痛みが強いものでが、

傍骨性骨肉腫は通常の骨肉腫よりは増殖が遅く痛みが少ない傾向があるのではないか、

と言われています。(まれな腫瘍のため、確定はされていません)

マイコちゃんもしこりがあるのに気づいていてもだましだまし様子を見ていたのでしょう。


治療法は、出来るだけ早く小さなうちに

外科手術でがんを摘出することです。


飼い主様と相談の結果、、、

腫瘍を肋骨ごと切り取り、胸壁を再建する手術を実施しました。

動物の「がん」と戦う獣医さん-術中

胸に空いた穴には横隔膜、外腹斜筋、広背筋を移植して閉じることができました。

現在術後5ヶ月、合併症もなく、とっても元気です!


■参考文献
Use of latissimus dorsi and abdominal external oblique muscle for reconstruction of a thoracic wall defect in a cat with feline osteochondromatosis. J Feline Med Surg. October 2007:Gabriele Gradner, et al