海鳥で
「ミズナギドリ」という鳥がいる。
鳩位の大きさで
とても警戒心が薄い。
 
もちろん野鳥だが
釣りをしている私たちのボートに
飛び乗って来てエサをねだったり
差し出した手からエサ(コマセ等)を食べたりする。
 
愛妻さんが大好きだった海鳥。
ミズナギドリ
 
時折、釣りしていて 出会うと
愛妻さんは
何かしらの食料を渡したりして遊んでいた。
ミズナギドリ…。
 
 
本題「不思議な現象が…」に
話を戻す。
 
5月26日(日)
夜明けとともに
ボートで一人釣りに出た。
 
ポイントは
東京湾のど真ん中付近。
 
昨年
12月29日(49日の日)
愛妻さんのお骨の一部(破片)散骨した
ポイントに重なる。
 
釣りを始めようとしたところ
5~60mくらい離れたところに
一羽の海鳥が…。

どんどんこちらにやって来て…。
 
私はボートのエンジンを止めた。
 
さらに
近づく海鳥。

愛妻さんが大好きだった
あの
ミズナギドリ。
 
もう
手が届かんばかりに近づいて
差し出した私の手に近寄ってきた。

鳥肌が立った。
 
愛妻さんが
姿形を変えて
ミズナギドリになって
私に会いに来てくれたのか…。
 
ミズナギドリは
エサもないのに
差し出した私の指先を
突っついた。
 
私は思わず
愛妻さんの呼び名
『ノンちゃん!!!』
何度も
声をかけていた。
 
1分
2分
いや、もっと長い時間
傍から離れなかった。
 
何度も何度も
振り返り
ミズナギドリは
ゆっくりと
ゆっくりと
後ずさるように
離れていった。
 
愛妻さんが他界して
もう
半年を過ぎた。
 
いまだに
仏壇の前で
涙を流すこともある。
 
午前9時には釣りをやめて
自宅に向かっていた。
 
この事をいち早く
仏壇の愛妻さんに報告しようと
帰路を急いだ。