『…お家に…帰りたい…』

 

これが

愛妻さんの

最期の言葉。

 

 

11月9日

22時過ぎ

 

クスリの効果が切れたのか

『トイレに行きたい』と

ベッドから降りようとする愛妻さん、

 

とても歩ける状態ではない。

大慌てで

介抱しながらトイレへ誘導。

 

何とか

間に合った…。

 

ベッドに戻る直前

ベランダのガラス戸に掴り立ちしながら

 

…焦点の合わない目つきで

ベランダを見つめる。

 

そして

私の耳元に口を近づけ

 

確かに

吐息で

呟いた。

 

『…お家に…帰りたい…』

 

えっ?

・・・

 

ここ、

愛妻さんのお家だよ。

 

言いかけて

止めた。

 

強い

医療麻薬と

強い痛み止めの坐薬とで

意識朦朧としているに

違いない。

 

しかも

熱発している。

37.9度

 

ベッドへ戻らせ

横になるのを介助。

 

彼女は

再び

深い眠りについた。

 

 まさか

まさか

これが

愛妻さんの

最期の言葉になるとは😢