「森に眠る魚」 角田光代著 ~私的感想 | 通勤列車からの読書日記

通勤列車からの読書日記

通勤列車内で読書をする時間が、日々のリフレッシュタイムです^^
勝手な読書感想ですがよろしくです^^

おはようございます。


今日は、同期と飲み会。とっても楽しみです☆

今週は飲み会が重なり、ちょっと疲れています。

飲み過ぎて正体がないことにならないように…と思いつつ、気心の知れた仲間なので、そのあたりは安心して楽しめそうです^^


それにしても、ブログに入る時間がちっとも確保できなかった今週…

久しぶりに昨夜ピグに行ってみたら、おいしそうなケーキやコーヒーかわいらしい置物が私の部屋にありました。

置いていってくださったどなたか…

ありがとうございます!


子どもの受験や、仕事のあれこれでこのところ相当ストレスがたまっていました。

特に仕事については、なんでこうなるんだろう、どうしても納得がいかない…ということが重なり、そんな風に思う自分がおかしいのか…?と思っていたら、実は周りもおかしいと思っていたことがわかり、ホッとしました。

で、同じような状況(私のことはもっとちっぽけですが^^;)について描かれた本と、そんな苦しんでいるタイミングで出会い、とっても心が軽くなりました。


が、今日ここに感想を記す本は…

私事ですが、この本と私の出会いは、最悪のタイミングでした^^;(失礼)


森に眠る魚 (双葉文庫)/角田 光代
¥720
Amazon.co.jp

内容(「BOOK」データベースより)

東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通して心をかよわせるが、いつしかその関係性は変容していた。―あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの。そうだ、終わらせなきゃ。心の声は幾重にもせめぎ合い、それぞれが追いつめられてゆく。凄みある筆致で描きだした、現代に生きる母親たちの深い孤独と痛み。渾身の長編母子小説。

内容紹介をブックカバーで見て、ママ友同士の関係から女性の心理を描いたものだろうとは想像しましたが…


角田さんは本当に幅広い。

そして、この本を読んで思ったのが、女性、それも特に「母」と言われる女性の微細な心理描写が絶妙ですね。

角田さんご自身ににお子さんがいらっしゃるかいらっしゃらないかわからないのですが、その心理はかなりリアリティを持って描かれています。


といっても、その登場人物に自分が重なるのではなく、あぁ、こういう状況の人もあり得るかも…と思わせるところが、また絶妙。

自分と重なるのではないところが味噌です。


この本、幼稚園ママ達が、「ママ友」という微妙な関係を小学校受験ということも絡め、とても苦しみながら抜け出していく過程が描かれていました。


子ども受験真っ最中、しかも、受験中に保護者控室で読もうとこの本を持ち込んだ私と、この本との出会いは、最悪のタイミングだった気がします。(小学校受験ではなく、中学校受験でしたが)

でもそれだけに、余計に感慨深い本でもありました。


この本を読みながら、自分の子どもの中学校受験を体験して私が勝手に思ったのは…

小学校受験にしなくて良かった…ということです。


中学校受験って、子どもも苦しいし、保護者である私たちも苦しいので、何度も、なぜ小学校から受験しておかなかったか…と思いました。

でも、中学校受験ですらまだ少数派で、ましてや小学校から国立や私立に進学する子どもはごく少数派という文化であるこの地方では、なかなかそんな選択肢をとる家族は有りません。


でも、それ以前に…

親の意志だけで受験することを決め、それでもうっすらと合格した、不合格だったという体験だけ味わう小学校ではなく、合否がそれこそ心の傷になろうとも、小学生でありながら勉強に対して必死の努力が必要で有ろうとも、半ば本人の意思を踏まえて、選択できる中学校受験の方がまだ、小学校受験よりは我が子には向いていたと思うのです。


勿論、小学校受験を否定するつもりはありません。

また、公立中学進学も否定するつもりもありません。


我が家の場合…ということです。



そして、私には、学生時代から今に至るまで親密に付き合える友がいてくれること、職場で切磋琢磨し合える仲間がいてくれること、家族がいてくれること、そうしたうえで子どもの世界を通してできた「ママ友」もいてくれることがいかに幸せなのか、と痛感しました。


自分に開かれている社会の窓が少なければ少ないほど、そこで成功しなくてはというプレッシャーを感じてしまう人は多いのかも…

そういった意味で、多重の社会に属しつつ、その社会での人間関係に恵まれていると言うのは、とても貴重な感謝すべき状況なのだと、なんだかリアルに思ってしまった本でした。


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