今日、男はつらいよの新作を観てきた。
私は昔から生粋の寅さんファンだ。
50作目の最新作がまさか作られるとは想像もしていなかっただけに制作発表が行われたときには嬉しすぎて1人でニヤニヤしていた。
そして今日、自分1人(家族は誰も寅さんを好きではない)で鑑賞。
結論から言おう。
個人的には良かった映画だが寅さんファン以外が観てもつまらないだろう。
したがって私1人で観てきて正解だった。
映画のあらすじは簡単。
とらやの面々の23年後(渥美清さんが1996年に他界したので)のお話。つまりリアルな今のとらやの人達を映し出す。
おいちゃん・おばちゃんは既に他界(仏壇に2人の遺影が出てくる)現在は博・さくら夫婦がとらやに住みついている。
裏の工場のたこ社長も他界しているようだ。その代わり娘の美保純(役名忘れた)が息子と一緒に住んでいる。
そう、博・さくら夫婦がおいちゃん・おばちゃんになってたこ社長が美保純になった。
今回主役の満男は脱サラして売れ出し始めた感じの小説家。娘が1人。中学生だろうか?奥さんは6年前に他界。
とらやには満男も娘もちょくちょく来ているようだ。満男も立派な親父だ。
源公も健在。序盤に出てくる。
御前様も他界。2代目?の御前様登場。「先代に代わって私がお経を…」の台詞がある。
時折昔の映像が所々に差し込まれる。寅さんがいた頃の懐かしい場面。
4K処理された寅さんは綺麗な画像だ。技術の進歩に驚く。
詳しいストーリーは割愛するがゴクミやリリー、小林稔侍など寅さんファンなら思わずニコッとしてしまう面々が次々に登場する。
因みに男はつらいよ名物、映画冒頭の夢のシーンは今回も変わらない。ただし夢を見ているのは寅さんではなく満男だが。
因みにオープン曲を歌うのは桑田佳祐。かなり渥美清さんを意識しているせいかとても上手い。そして並々ならぬ感情を込めて歌っている。
今回の新作は内容の半分近くが昔の回想シーンです。(回想シーンの中、歴代のマドンナ達も映し出される)
23年経った今でもさくらや満男の心の中では寅さんを思っている事がよく解る。
2人の台詞にも「叔父さんならこう言っているはず」「お兄ちゃんがいたら…」と言っている。
満男とゴクミの関係もスッキリして映画は終わるのだがラストに満男が寅さんを思って涙を流す。私はこのシーンで貰い泣きした。
ファンと出演者みんなで寅さんを懐かしむのととらやの人達の今を紹介してくれた映画。それが50作目の男はつらいよ。
ファン以外の人はテレビで放送されるときにでも観ればよいだろう。
最後に劇中、誰一人として寅さんが死んだや亡くなったという台詞は言わない。おいちゃん・おばちゃんの遺影はあれど寅さんの遺影は無い。そこまで徹底して寅さんが亡くなったと言うことを直接的に表現しなかった山田監督の思いが強く感じられた。