予防接種記事は今回で終了の予定です
日本と台湾の予防接種で
ワクチンの種類も接種時期も全く異なるのがこの日本脳炎ワクチン。
私が接種を一番悩んだものでもあります。
日本の住民票を置いてある市の保健所、台湾のかかりつけ医、関連書籍から得た情報をまとめますので参考までに。
まずは接種スケジュールの比較から。
【日本】接種回数 計4回
①第1期は生後6ヶ月から7歳6か月までに3回接種
(標準的な接種年齢については3歳~4歳。
ただし、標準的な接種年齢は接種を受ける際の目安であり、必ずこの時期に受けなければいけないものではない)
②第2期は9歳から12歳の間に1回接種
【台湾】接種回数 計2回
①1回目は1歳3ヶ月
②2回目は1回目の接種日から12か月以上あけて接種
では接種回数が何故こんなにも違うのかというと、日本と台湾の日本脳炎ワクチンの種類が大きく異なるからです。
日本は『不活化ワクチン(非活性疫苗)』のENCEVAC(エンセバック)やJEBIK-V(ジェービックV)
(2009年まで、日本ではマウス脳由来ワクチンが使用されていましたが、その後不活化ワクチンに変更)
台湾では『遺伝子組み換え生ワクチン(活性減毒嵌合性疫苗)』のIMOJEV
というワクチンをそれぞれ使っており、両者に互換性はないとされています。
そのため、接種の途中で台湾から日本(その逆もしかり)に移住し、継続接種をしようとした場合
新たに初回から接種する(今まで他国で接種したワクチンを打っていないものとする)か
既に打ったものとカウントして、残りの不足回数分のワクチンを打つかは
医師の間でも判断が分かれるところのようです。
これは独自のワクチンを使っている中国本土からの帰国者にも言えるようで、なかなか一筋縄ではいかない部分があります。
日本脳炎は蚊で媒介する病気なので、
台湾では早め早めの接種で免疫獲得をしようとするのも頷けます。
日本の保健所に相談したところ
いくつか考えられる例としては、
①台湾で接種を受けないで、日本に帰国する場合
・日本へ帰国後、1期の定期接種として3回の接種を受ける。その後2期として4回目を接種。
②台湾で1回接種を受けた後、日本に帰国した場合
・台湾での1回を日本での定期接種とみなし、残りの2回を日本で受ける。その後2期として4回目を接種。
・台湾での1回を日本での定期接種とみなさないで、日本で3回の接種を受ける。その後2期として4回目を接種。
③台湾で2回接種を受けた後、日本に帰国した場合
・台湾での2回を日本での定期接種とみなさないで、日本で3回の接種を受ける。その後2期として4回目を接種。
※ただし、台湾では2回接種で完了(免疫獲得)なので、③はそもそも考えなくても良いかも?
あくまでも日本のスタンダードに則った場合、の話です。
とのこと。
実は台湾にも日本脳炎の不活化ワクチンはあるのですが、
それはワクチンに対しアレルギーがあったり、がんの治療中であったりして
医師が許可した場合のみ自費で接種できるとのこと。【参考:衛生福利部】
しかも同じ不活化ワクチンでも、台湾で接種できるのは日本のものとは互換性のないIXIAROという種類のワクチンなので
結局途中で日本に戻った場合にゼロから打ち直しになる可能性が高いらしいです。
台湾で1回打ったのに、それを打ってないものとみなされて
日本で最初から打ち直すことになったら計5回接種になるではないですか辛すぎる。。。
台湾のかかりつけ医いわく、
現在台湾で公費接種できる日本脳炎ワクチン(IMOJEV)の方が日本のものよりも新しく、2回接種で完了できる。
遅くとも5歳になるまでに2回接種できていれば免疫が獲得できるので
もし台湾で1回目を接種して、途中で日本に帰ってしまったとしても
また数年後に台湾に遊びに来たときに(!?)2回目を接種すれば良いのでは?と
対して日本側は「日本産(国産)のワクチンは安全性が高く・・・」と言っている。
そして日本国内で、台湾で使っているようなIMOJEVのような遺伝子組み換え生ワクチンを使用すると
カルタヘナ法に抵触する恐れがあるため、日本ではこれから先もたぶん台湾と同じワクチンは使われない・・・
法が絡んでくる難しい問題です。
もう1つ引っかかっていたのが、母子手帳の記載部分。
私の時代は小学校で集団予防接種があって(記憶にあるのはツベルクリン反応・・・だったかな?)、
もし今でもそういったのが残っているとしたら、
チビ子が万が一日本の学校に行った場合、母子手帳をチェックされるのでは?
なんて心配で。
チキンハートの私は知り合いの小学校の先生にさりげなく集団予防接種について聞いてみました←
結果
最近は小学校で集団予防接種ってしていないらしいです時代よ
台湾だと健保卡や母子手帳に予防接種の記録がなされていて、
適切な時期にきちんと接種を受けていないとハガキが送られてくるのですが・・・
日本は違うのですね
色々考えた結果、ウチでは台湾のIMOJEVの2回接種をすることにきめました。
安全性を強調する国産主義の日本、
対して国際的なスタンダードに則って海外産のワクチンの選択肢が多い台湾。
私自身もさらに勉強して、納得できる選択ができるようになりたいと思います。