今回の台湾での帝王切開であまり痛くなかった理由は

もしかすると最新の医療によるもの?と思ったので、登録販売者のはしくれとして

記録しておきたいと思います。

今後どなたかの参考になればキラキラ

 

 

通常、台湾で帝王切開後に使われる痛み止め(鎮痛剤)は大きく分けて2種類あります。

①嗎啡類止痛藥

②非類固醇止痛藥

 

①嗎啡類止痛藥(オピオイド系鎮痛剤)

モルヒネ・コデインなど、中枢や末梢を介して作用する鎮痛剤。

日本で帝王切開を行った後に硬膜外麻酔・PCA(患者自己調節鎮痛法)として使用されるものもほぼこちらに属する。

痛みを抑える効果は強いが、医療用麻薬とも呼ばれるため、投与には細心の注意が必要であり、

胸のむかつきや嘔吐、腸の蠕動運動を抑制することによる腹部膨満感や便秘などの副作用が出やすい。

 


②非類固醇止痛藥(非ステロイド性抗炎症薬/NSAIDs)

OTC医薬品でも見かけることの多いアスピリン・イブプロフェン・ロキソプロフェンなどの鎮痛剤。

薬効が短いため、効果が切れるときを見計らって複数回注射しなければならない。経口剤として処方されることもある。

副作用は胃粘膜障害など。

 

私が調べた限りでは、日本で使用されているのも基本的にはこの2種類のようです目

 

しかし台湾では近年

「第三の鎮痛剤」として脚光を浴びている新薬があります。

それが

 

③Naldebain(Nalbuphine sebacate)

鎮痛の効果は①のモルヒネに引けを取らないほど高いとされ、

台湾の医薬品業界では唯一、薬効が7日間持続する徐放性製剤。

術後、臀部に注射することで薬液がゆっくりと体内に放出され、

長時間鎮痛効果を発揮する。

①とは作用機序が異なるため、習慣性や依存性を起こす心配もない。

副作用としては皮膚の掻痒感が挙げられる。

 

 

薬は一般的に消化管や肝臓で分解されてから体内にいきわたるため、

臓器に負担がかかったり、体内中の有効成分が少なくなったりしてしまうことがあります。

しかし、Naldebainは体内の目標部位に到達してから薬理効果を発揮する(プロドラッグ)ので

副作用も比較的少ないとされています。

 

また、台湾は海外の製薬メーカーから輸入している医薬品も多いのですが、

これに関しては研究開発から製造に至るまで、すべてが台湾で行われ特許を取得しています!

担当医曰く、台湾では大御所の「順天医薬科技」という製薬メーカーによる製造とのことびっくり

 


高雄市立大同医院の記事によると、Naldebainは

2017年3月に台湾政府機関の認可がおりたばかりの新薬で

ちょうど1年ほど前から台湾でニュースになり始めました。

※私が当初見かけたのは2018年11月末のコチラの記事です。

 

新薬ということもあり、まだ台湾の健保の対象ではないため

自費で5000元以上します。

ですが、入っている保険によっては保険金給付の対象となることもあるようです。

 


病院からもらったチラシはこんな感じ。

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薬の名前が記載されていなかったので担当医に尋ねると
かなり詳しく教えてもらえました。


私は術後まだ麻酔が効いているうちにこれを打ってもらったため

注射の痛みもなく滝汗

ただ、数日間は全身が何となくかゆかったです滝汗滝汗滝汗

そしてこれとは別に②に属する経口の鎮痛剤(etoricoxib)を処方されました。

なので、傷口の痛みにうなされるようなこともありませんでした。

 

 

開発メーカーさん、ありがとう照れ

 


薬は人によって合う合わないもあるので一概にオススメはできませんが、

万が一台湾で帝王切開などの大きな手術を予定されている方がいらっしゃいましたら、

ぜひ担当医に相談してみてください注意