元グラウンド・ゼロ
この前書いた「911MEMORIAL」。
ネットで申し込めば中に入るパスがもらえるとのことであの時すぐに申し込んで今日の12:00の分を手に入れた。
申し込みは簡単。
「911MEMORIAL」のサイトから申し込むだけ。
入場は無料。
しかしやっぱりここはアメリカ。
10ドル以上のドネーションが強制される。
10ドル、50ドル、100ドル、それ以上だったかを選択してカード引き落としで寄付をする。
俺には特別な場所なので少しでも多く寄付したいのはやまやまだったが10ドルで勘弁していただいた。
入場口の横のテントが仮設の受付になっていてそこでIDを見せて本人チェックの後、列に並んで入場。
さらにその先にボディ・チェックの場所がある。
飛行機に乗る時とほとんど同じ。
金属を全部皿に出してベルトも腕時計も外し上着を脱いで金属探知機をくぐる。
今回はセントレアを出発の時みたいなことはない、と思いきや…。
ピー ピー ピー … (長渕剛じゃないよ)
またまたボディ・チェックだ!
ズボンのポケットにハーモニカを入れていたのを忘れていた…。
そんなわけで無事(?)入場。
ちょうど1年が過ぎた2002年のこの場所も外から金網越しにではあるが見ている。
あの時は大掛かりな地下鉄の工事のように瓦礫を撤去した後に深く大きな穴が掘られていた。
そして何よりも「奇跡の十字架」が残っていた。
これは瓦礫の中にビルの鉄骨が十字架の形で立っていたというものだ。
報道や本などで見た人もいるだろう。
俺の歌にも登場させている。
あれから10年。
ここはもうグラウンド・ゼロとは呼べない。
見事なメモリアル・パークだ。
ツインタワーのあったそれぞれの場所に深いプールが作られ4辺から水が滝のように流れ落ちる。
そしてその4辺にはあの事件のみならずかつての爆破テロによって命を落とした人々の墓碑銘が刻まれている。
そこに立つとそれまで寒さに震えてた体がキリッと引き締まり心だけが震える気がした。
あの日あの時の光景が甦る。
この真下には見つからずに捜索が打ち切られた人が眠っているかもしれない。
ここでその体から離れた魂は家族のもとにたどり着けたのだろうか。
あの時見た何百メートルもの高さから落下した人達の魂はどの段階で解き放たれたのだろうか。
全ての人が「行ってきます」って出ていったはずなのに「ただいま」って声は…。
昨日の雪は全く融けてなく雪景色の中、余計に心を震わす。
帰ってから伝える為にたくさんの風景をカメラに収めた。
しかしここでは自分撮りの記念撮影などする気にはならなかった。
家族連れや友達同士に夫婦や恋人。
いろんな形でニューヨーク旅行に来てここを訪れている。
多くの人がプールをバックに記念撮影をしている。
女の子の多くは世界共通、もう被写体になる時は反射的にそうするのだろう。
ピースだ。
違和感を覚えると共にそれもありかな、という気もした。
ここに来ているってだけでちゃんと関心はあるって事だ。
パソコン開いてサイトにアクセスして名前とか住所を打ち込んでドネーション用のカードを用意して番号を打ち込む。
そしてプリンターをセットしてプリントアウトしてそれを持ってやってくる。
来たら来たで厳しいボディ・チェックを受けなきゃ入れない。
簡単ではあるが結構な手間がかかる。
そこまでしてここに来てるって大したものだ。
少なくともここに来ている人達はあの事件を忘れてないし忘れないだろう。
記憶の何処かにインプットされていて何かの折には思い出す。
そのインプットされているってのが一番重要なんだと思う。
下を向いたり暗く黙り込んだりするよりもこうして楽しく元気に昇って行くのがいいのかもしれない。
前を向いていなきゃ復活も復興もないのだから。
アメリカの人達はそれができる強さを持ってる。
脳天気な程のポジティブさっての、見習ってもいいと思う。
本当は繊細でナーバスな心を裏側に持ってるからこそ、そこまでポジティブになれるんじゃないかな。