こんな事って・・・
この前の日曜日、山口県は周南市でライブをやった。
そして次の月曜日、俺は大津島という瀬戸内の島に向かった。
この島は第二次大戦中、日本軍の最終兵器とでも言うべき「人間魚雷 回天」の訓練基地があった島なのだ。
「回天」については映画「出口のない海」(市川海老蔵さん主演の野球選手が特攻志願する話)で見た人もいるかもしれないが、まさにあの映画の舞台になったのがこの大津島なのだ。
この島には当時の魚雷を発射した基地や倉庫から海まで運んだトンネル、弾薬庫などが残っていて「回天記念館」という施設も作られている。
絶対にいってみたい場所だったので今回のツアーも周南を入れて次の日をオフにした。
そのオフ日を利用して行ってきたのだ。
と、ここまでは普通の旅日記だがこの島でとんでもない事件が起こるのだ。
この島にその頂上からの眺望が素晴らしいという山がある。
ちょうど回天記念館のある山なのだが表記によると700メートル、所要時間20分という頂上までの登山道がある。
その途中には回天の爆破実験を観測した見張台も残っているという。
これは登らずに帰るわけにはいくまい。
ハイキング・コースのような道なのだがこれが傾斜のキツイこと。
階段になっているのだが途中で何度引き返そうと思ったか・・・。
随時、あと何メートルとか看板がでているのだが100メートルの長いこと長いこと。
息はゼーゼー足はガクガク。
「美しい景色ってのは難儀の後に初めて見ることができるんだ」、「苦の後には必ず楽がある」などと自分に言い聞かせながら頂上に到着。
山頂で休憩がてら写真撮ったりして山を下りることにした。
事件はこの下山途中で起こるのだ。
映画にもなったとはいえさほど有名な観光地でもなく、まして真冬の月曜日。
島を訪れている人はほとんど(行きの船は島民以外は俺だけだった)いない。
山に登ってるのが俺一人なら下りるのも当然俺一人。
と思いきや少し下りたところで一人の男性が登ってくるではないか。
お互い、自分と同じ想いでこの島にきた旅人と思って挨拶を交わした。
そして俺の顔を見たその男性が発した言葉は・・・。
「福井さんじゃないですか? 小山(卓治)さんのライブで・・・」。
まさに私は福井さんである。
「???」。
「河口ですよー」。
「ウヲー!」 声になってない声を発する俺。
なんとギタリストの河口修二さんではないか。
ミス○ルやゆ○のサポートでギターを弾いていて今はレミ○ロ○ンのサポートで周南に来てたらしい。
そういえば昨日、俺がやったライブハウスの隣の会館でやってた。
なんでも河口さんも某ドラマーの影響で軍事遺跡に興味を持つようになってツアーの移動日を利用してこの島に来たらしい。
しかし、しかしだ。
普通こんな所でばったり会うものか?!
これが東京でとか名古屋でとかならまだ無きにしも在らずだがこんな山口県の瀬戸内の島。
しかも登山道で。
河口さんもよく俺って判ってくれたものだ。
会うわけない場所で会ってもピンとこないだろうに。
お互いこの偶然に驚きと喜びを露にして登山道の途中で大騒ぎ。
まだこれから登るところの河口さんと下山後の再会を約束してそれぞれ山の上と下へ。
その後、一緒に回天記念館や基地の跡を見学して夕方近くに徳山港へ。
船の中でも徳山港に着いてからもいろいろ話しをしたが話しの端々に「凄いね、凄いね」が出まくり。
俺のギター見てもらったりとかひとしきり話し込んで俺は車で西へ。 河口さんは駅へ。
しかし、こんな事ってある?
俺にとったらこれは神様が何かを伝える為に為した事かもしれないと思っている。
だって・・・、神懸り的な偶然だよ。
世の中何処で何が起こるか解らない。
何処で誰に会うか解らない。
特に旅ってのはそんなマジックを引き起こし易いという。
俺のこのツアー。
これっていい旅なんだろうな。