全日本選手権最終戦・鈴鹿大会のレース結果をご報告いたします。

JSB1000
最終戦の鈴鹿は震災の影響からサーキットのスケジュールが空かず事前テスト無しでの参戦となった。夏の8時間耐久や会員の走行会に参加できる地元ライダーに対して、練習量が圧倒的に不足している藤田だが、不利なアウェイでどこまで戦えるか真価が問われる最終戦となった。

公式練習初日。晴天に恵まれコンディションは上々なのだが、藤田の走りは今一歩冴えない。ピットインを繰り返しセットアップの変更を試みる藤田。少しずつマシンセットは改善されてゆくが、タイムが詰まってこない。自己ベストの14秒にも届かない15秒台のタイムで止まってしまう。午後の走行に入っても同様の悪いリズムが改善できないまま初日を終え、総合22番手に留まる。

今年一年、藤田は昨年の問題を克服するために様々なライディングをトライし、多くのアドバイスを頂いてきたが完全に消化不良状態。そこでチームは最終戦はレースの最大の醍醐味、「前にいる奴はみんな抜いちゃうぞ作戦」に変更を決めた。
余計な事は考えずひたすら走る事だけに集中させ、とにかく喰らい付いてゆく闘争本能で藤田を覚醒させる事にしたのだ。

翌土曜日。午後一番にJSB1000クラスのノックアウト予選が始まった。真っ先にコースに出る藤田は1周目にトップライダーの集団にもまれながらコントロールラインを通過。セクター1、セクター2と自己ベストを更新し、2周目に自己ベストを大幅に更新する2分13秒383を記録。直後に赤旗が提示されピットに戻ってきた藤田の顔が明るい。その後も単独でも13秒台を記録しアベレージが上った藤田はQ1を通過。タイヤを交換し、Q1の勢いのままQ2に出走。

今回も真っ先にコースインをした藤田は再び各セクターで自己ベストを更新。なんと2周目に2分12秒928を記録。更にペースを上げる藤田は3周目に更にタイムを上げ、2分12秒314を記録。リーダーボードのトップテンに入ってきた。この後上位陣が終盤にタイムを上げ、Q2突破はならなかったが、自己ベストを2秒以上更新し、単独でも12秒台で周回できるスピードを掴んだ藤田。チームの作戦は大成功だった。

心配された天気も何とか持ちこたえてくれた決勝日。曇り空ながら気温21度とすごし易いコンディションで朝を迎えた。藤田は朝のフリー走行でも真っ先にコースイン。総合11番手タイムを記録するなど決勝に向け調子を上げていた。


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