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こんばんは
りおです
チマグルッぽでやっていた、鯛祭りでアップした小話を、少しだけ修正してこちらにアップします
以前、突然派生した、初夜の小話の続きですので、良かったら最初から見てみてね
何故か小話派生(笑) 【合成】 初夜
っと、思ったらアメンバー限定記事になっていたので、最後の部分だけ抜粋
前回までのお話
廊下を歩く音が、扉の前でぴたりと止まった
ガラリと扉の開く音が必要以上に耳につく
開かれる事を分かっていたはずなのに…ウンスの体がびくんと強張った
寝所に入ると、イムジャが待っていた。
俺が扉を開いた時、イムジャは偉くびっくりした顔を俺に向けてきた
イムジャ何と言う顔をしておるのだ
顔を真っ赤にして目を見開いている妻の姿
そして、ウンスは顔を背けた
その様子が可愛らしく、胸がじんと温まる
ヨンはくすくすと笑いながら、ウンスの待つ部屋へと入っていった
「イムジャどうしたのだ?」
愛しさが悪戯心に変わり、覗きこむように問いかけた
二人の間を妙に不自然な緊張が包み込む
「ちょっと…なんで…」
部屋に入ってきた、ヨンァの姿に目を疑った
やだ何で?
何で脱いでいるのよ
普通、こういう時って、男の人も夜着的なのを着ているんじゃないの?
「なんで…ですか?」
ヨンはそう言った後、合点がいったとでも言う様に「あぁ、この事ですか」と呟いた
気もそぞろに湯を浴びて、渡された夜着の下を身に付けた
上の衣に袖を通そうとした時、俺は馬鹿な事を考えた
”どうせこれは脱ぎ去るのだ”
俺とイムジャをここにきても尚隔てようとする、その衣が煩わしい存在のように思えた
そんな事を考えた自分へ自嘲の笑みを浮かべる
これから為されるであろう事に、破顔しそうになるのを意識して堪える
そして俺は夜着の上衣を、元あった棚にぐしゃりと押し込んだ
「悪いが、お前を脱ぐ時すらも待ちきれぬ」
ヨンは上衣に視線をやり、それに語りかけた
お話
よりにもよって何で裸なの?
今さらながらに、これから行われるであろう事が、頭の中でリアルに描かれて…
むざむざと見せつけられた、夫となったばかりのチェヨンの逞しい胸元
ウンスはあまりの恥ずかしさに、視線を落としながら頬を赤く染めた
自分がドクターで、それも胸部外科医だった事が、まるで嘘のようだった
この人を刺してしまった時にだって、その場所は見た事はあったはずなのに
直視することが出来なかった
「なっ…何でなにも着てないのよ…」
半ば泣きべそ交じりに顔を歪めながら、愚痴を零すように小さく呟いた
「湯からあがり、そのまま参りました」
口の端を小さく上げる
「なっ、なんか羽織ったほうが…」
だって見てられないんですもの
ウンスの戸惑いながら言ったその言葉に、くすくすと笑いを漏らしながらチェヨンはこう言ったのだった
「せっかく脱いだのをまた羽織り、そして次はどうしますか?また脱ぐのですか?」
悪戯な目をして顔を覗き込む
どうやら、からかわれたようだ
一瞬にして頭のてっぺんまで血が上り、ウンスは耳まで赤くした
「また脱ぐのですか?」
その言葉だけが、やけに耳の奥に残る
ウンス。もうちょっと落ち着いて
男性の胸元どころか、この人の胸元だって初めて見るわけじゃないのよ?
心の中で自分をそう諭し、なんとか落ち着くように努めようとする
でも、その時と違う事があった
そこはこれから、私が包み込まれる場所
そんな風に考えるだけで照れくさく思え、顔を上げる事が出来なかった
頭をぷるりと振るいたくなる
しかしウンスは、チェヨンに不自然に思われたくなくて、じっとそれを耐え忍んだ
緊張を誤魔化そうと視線をふいと反らせば、自分達が今いる部屋の中が、明るい事が急に恥ずかしくなってきた
それはまさに追い打ちだ
余計な事を考えちゃ駄目よ…
なんとか冷静さを取り戻し落ち着こうと努めるも、次から次へとろくでもない考えが浮かんでくる
しょっ、初夜って…
【初めての夜】って書いて初夜でしょ!
夜じゃなきゃ駄目じゃないの…
婚儀の宴席は朝まで続き、最後の一人が帰ったのは昼過ぎだった
あれよあれよという間に、下働きのアジュマに湯あみをさせられ着替えさせられた
先程まで二日酔いで、だいぶ飲み過ぎた酒が抜けきれなかったのが
飲み足りなかったと後悔しちゃうくらい、一気に素面になった
こんな事になるくらいなら、泥酔するくらい飲んでおけば良かった
今さら後悔しても、もう遅すぎる
それに、室内を暗闇に出来るほどの雨戸なんて、ここ高麗にはありゃしない
この部屋は、どう考えても明るすぎる
あ~ん何もかも、丸見えじゃないのよ…
この人がこんなに赤裸々に見えるって事は…見えるって事は…
やだやだ、私の事も…
私の体も同じように…ばっちり見えちゃうって事よね…
ウンスはチェヨンに気づかれぬよう、唇をびーと突出し、困惑の表情を浮かべた
「イムジャ…」
あぁ、そんな風に私を呼ばないでよ
くぐもったような重低音で、閨の中に響く夫チェヨンの声
まるで耳元のすぐ傍で、囁かれているように感じて、ますます恥ずかしさを煽った
「そばに…」
私に傍に、来いっていうの??
その人に聞こえてしまうんじゃないかって心配になるくらい、ばっくん、ばっくんと心臓が激しく打ちたてた
だけど私は座っていた場所から、一歩たりとも動く事が出来なかった
そしたら、あの人が寄ってきてしまう
あっ、当たり前の事よね…
壁際に追いつめられたような気分になる
いつも騒がしい程のこの方が…
あまりの緊張に言葉を失っている、妻となったばかりのウンスの姿
まるで借りてきた猫ではないか
チェヨンは肩を震わせながらくすくすと鼻先で笑うと、熱っぽい視線で微笑みかけてきた
「イムジャ。こっちを向いてください」
その声に反応できず、俯いたままでいた
その手が自分の頬を包み込むように、そっと添えられてしまった
肌が触れ合う、頬から伝わる熱
チェヨンの手はいつもよりずっと熱かった
緊張が全身を包み込み、ウンスは肩を竦めながら躰を強張らせた
顔を背けようとするも、チェヨンはそうする事を許してはくれない
首に入れている力を解きほぐすように、ゆっくと面を上げさせられた
黒い大きな眸が、私をじっと見つめている
駄目だ、もう限界!!
張り詰めた緊張感に、ウンスはついに耐えきれなくなった
今、思えば馬鹿みたい
その時は駄目元で相談してみようと思った
勿論、駄目だとは分かっているけど…
それでも、万が一って事があるじゃない
「ねぇ、夜まで…」
ウンスが言いかけると
「待てません」
即答し、あっさりとその言葉を遮った
次の言葉は聞きたくない
まるでそう言っているようだった
あはっ。
ですよね…
ウンスは引き攣り笑いを浮かべた
何を馬鹿な質問をしたのかと、自分の不甲斐なさに泣きたくなってくる
おまけに恥を忍んだ懇願にも、検討の余地すら残されていないようだ
チェヨンは微かに微笑みを浮かべながら
眉間に小さくしわ寄せて言う
「イムジャ。イムジャは俺の何です?」
質問の意味は、この人の求める答えは…
きっとこれだろう
「妻…になったの…」
しぶしぶとその答えを返した
チェヨンは求めていた答えを得られた事に満足そうに二度ほど頷くと
「覚悟は…?」
さらにウンスに問い続けた
そっ、そりゃ、婚儀を迎えたんですもの
私だって子供じゃないんだから
色々、分かっているのよ…
あなたの想いがどれ程のものかも…
「できていたはずだったんだけど…」
あなたと結ばれるこの日を
私だって、どんなに夢見てきたことか
「ならば…」
いい年して、生娘みたいに激しく動揺している自分が情けなくなる
穴があったら入りたい気分だった
すっかり落ち込んで、ウンスは再び視線を俯かせる
目を見張った…
ウンスは目に飛び込んできた光景に、ギョッとして息を飲みこんだ
開いた口が塞がらなくなった
「やっ…ちょっ」
ウンスが口をぱくぱくとさせると、
チェヨンはその行動の、意味が分からないと言った風に小首を傾げた
そして、怪訝そうな視線を返してきた
「あっ…あっ…え…」
ウンスは指をさしながら、何か言おうとしていたが言葉にならなかった
「ん?」
挙動不審なウンス行動
ウンスが見つめる先、その視線にあわせ、チェヨンも視線を落とした
「………」
チェヨンは言葉を失った
「………」
勿論ウンスも何も言えないままだ
「………」
二人の間に長い沈黙が続く
「………」
チェヨンは気まずそうな顔をし、ほんの少しだけ口を開いた
そこには誰よりも存在を大きく主張している、燃えたぎる鉄のように熱く硬く、目を覆いたくなるほどの…
チェヨンの想いが、溢れんばかりに膨らみを見せていた
追伸:
えっ?
なんですか?
現実、あるあるですよね
【完】って言ったら怒るかしら…
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