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信義(シンイ)二次小説

りおのシンイParty☆




こんばんは、りおです

あまりに久しぶり過ぎて、なんか、書いてて、忘れちゃったというか

つまらなかったらごめんなさい、リハビリ中ってことでお許しを



  お話  

「も~い~くつっ、ね、る、とぉ~!お~しょ~おっがっつ~♪♪」

いつものように門をくぐり、屋敷の中へと意識を向けると、調子っぱずれなあの方の歌声が響き渡っている

その騒音は屋敷の外まで響き、ここに戻るまでの間、幾度となく、往来する民らと視線が絡んだ

以前は「高麗の鬼神」との異名すら持ち、畏敬の念で恐れられていた、チェヨン大護軍であったが…

四年の歳月を経て妻となった、待ち人ウンスの帰還により、もはや形無しな事は、言わずと民の間に広まっていた

それでも、ある程度若い男達は、しごきの噂も十二分に承知していて、目が合えば、すぃと視線を反らす

しかし、年のいった女らからすれば、息子と変わりない風貌に加え、屋敷からは鬼の妻の【愉快な歌声】とくる

更にウンスの御蔭と言うべきか、もしくは”ウンスのせい”と言うべきなのか…

鬼神も実は心根の優しい普通のナムジャなのだと、チェヨンの人となりも、それとなく語られ知れ渡っている

つまりは、所詮、妻の尻に敷かれた、ただの若者なのだと、厄介にも露骨に笑いかけてくるのだった

体面も何もあったもんじゃない

チェヨンは、内心そう思いながら、にやりと笑う女達に、口の端にひくひくと苦笑いを作り、それに応えた

しかし、イムジャが居らぬ間、あれほど寒く感じたこの冬の季節が、今や身が温まるような想いだった

相変らず歌声は続いている

「おしょ~がつには~たこあげて~!」

天界語の”おしょ~がつ”とは、何を意味するかは無論分からぬものの…

余程、楽しみにされているのだという事だけは、イムジャの声色から、嫌と言う程伝わってくる

チェヨンは、思わず「ぶっ」と、吹き出しそうになる口許に拳をあて、それを口の中に押し込めた

そして下手に、上機嫌で鳴く、妻の邪魔をしてはならぬと、足音を消し屋敷の中へと入っていった

「こ~まを回してっ、ひゃっ」

突然、背後に感じた人の気配に、ウンスは肩を竦め、歌を止め慌てて振り返る

「あ~やだ。気配消して入って来ないで!って、あれ程言っているじゃない!」

何度なく痛い目を見ていたウンス

出来る事なら玄関で「今戻った」と、一言声をかけて欲しいと常々思っていた

そう、つい先日も、突然の帰宅で、エライ目にあったのだった

「余りに楽しそうにされてたので」

喉を鳴らし、くくと笑いながら、チェヨンはウンスに微笑みかける

からかうようなモノ言いに、少し気恥ずかしさを感じる

ウンスは照れ隠しに眉を顰めながら、悪戯な夫を睨み付けた

「今度は何です?」

チェヨンは、少々”おしょ~がつ”の正体が気にかかっていた

歌の中に幾度なく表れていた言葉だ

「んっ?」

「それは何ですか?」

重ねて問われ、歌の事を言っているのだろうと、察しがついた

「それ?何って、あっ、もしかして、おしょ~がつの事??」

それと、あれで、会話が成り立つのが、夫婦と言うものだろう

普通の会話であれば、問われた、その意を説明するのが筋だが…

「ちょっ、や、止めてよね!!」

ウンスは経験から知る、途端に沸いて出た嫌な予感に身を引く

ずるずると背を反らし、一歩、また一歩と、後ずさりしていく

「変なもんじゃないからね!!おしょ~がつ!危ないもんじゃないのよ!!」

しかし、この答えともなっていない返答には、ウンスなりの深い訳があった

それは、世にも恐ろしい「サンタクロース暗殺未遂」事件の、虎馬によるものだった



  クリスマス 

(サンタクロース暗殺未遂事件)

ちょうど、1週間程度前の事

ウンスは今日と同じように、クリスマスソングで大盛り上がりをしていた

「イムジャ」

「ひゃっ!あ~もう、びっくりした!」

此処までは、今日と同じ光景だった

だがしかし、そこからのチェヨンの様子が、大きく異なっていた

「何ですか!!」

チェヨンは屋敷に戻るなり、開口一番「何ですか!」をきつく言い放った

それも表情から察するに、何故だかとても怒っているようだ

「ええっ、やだ。なに?急に…ん?」

ウンスは困惑して言葉に詰まる

「なに?急に?ではありません」

何かまずい事でもしたのだろうか

「だから、どうしたの?」

不機嫌の訳を確認しようと、ウンスは上目使いでチェヨンを覗き込んだ

瞼を大きく開き、ぱちくりと何度か瞬きをし、様子を窺った

渋々と口を開くチェヨン

「イムジャは、何故、さんたの、訪問を待ちわびておるのです」

突然はじまった夫の尋問の原因

「へっ?」

予想もしてなかった答えに、ウンスは目を丸くし、返す言葉を見失った

「はい?」

「イムジャは、さんたという奴を、待っておるのだと…」

「あっ、あぁ、ミスンさん?ミスンさんに聞いたのね?」

天界の習わしでは、イブにはサンタがくるのだと、先日、屋敷のミスンに話した心当たりがあった

「では、今宵くるのですね?」

今宵って、イブは今日だけど…

「ええっ??」

やだ、何が聞きたいの?

「今宵は、そのいぶなのでしょ?」

よくもまぁ、この人が、そんなことまで、知っているのだと…

思わず感心しそうになるが、硬い表情から、そんな悠長な状況ではないようだ

「えぇ。まぁ、多分、暦の上では、今日あたりがそうかなって…でも、サンタって」

待っているというより、誰かをサンタに仕立て上げねば、ここに来るはずもない

それを説明しようとしたが、苛立つチェヨンに遮られてしまう

「冗談じゃない」

吐き捨てるように言い放つ

「ねぇ、ちょっと。聞いてって」

慌てて説明しようとしても…

「それは、なんです?」

喧嘩の時の、それと、あれほど、意味の分からないものはなかった

「ちょっと、だから、それって何よ…」

夫婦になって一年近くが経つ

しかし、言葉数の少ない男との喧嘩って、何て面倒なんだと思う

「さんたは、ナムジャなのだと?」

あ~ん、だから何が言いたいの?

「えっ、そっ、そりゃ、サンタさんは、ナムジャだけど…でもね」

サンタさん?が、男とか、だって、だって、サンタさんは、アッパだもの

一方的に、怒られている理由も分からず、泣きべそをかきたい気分だ

「行って参ります。イムジャは、此処に居てください。動かぬよう」

まったく互いの話も噛み合ってない中、突然踵を返す夫チェヨン

「行ってって、まっ、えっ…」

とにかく引きとめようとして、ウンスは視線の先から、目が離せなくなった

「キャーーーー、ちょっと、あなた、何?なんで、剣握りしめてるのよ」

「……迎え討ちます」

夫の口を突いて出たのは、現代人のウンスからは、想像もできない回答だ

「はい???」

驚いて声が裏返った

「今から外で番をし、さんたが屋敷に現れれば、直ちに討ちます」

硬い表情に、硬い決意、そして、簡単に言って聞かせられなそうな、頑なな態度

「はぁ~!?」

開いた口が塞がらないとは、まさにこの事を言うのだろう

「あっ、あっ、あなた、討つって、ちょっと、サンタさんを殺すってわけ?」

「当たり前です」

酷い混乱で適切な言葉が見つからない

「当たり前って、ちょっと、まっ、待ってよ…何で、サンタさんを殺すのよ」

想定を超えた、突拍子もない話し過ぎて、こちらの論点すらずれそうだ

「妻の元に夜這いに来るナムジャです。夫として当たり前の事です!」

「はぁぁぁぁ??」

「ゆえに迎え討つ準備を」

「……」

どう説明したら良いものか、自分の置かれた状況が可笑しくすら思えてくる

これではまるで、ボケと突っ込みの、ショートコント劇だ

「夜這いって…」

見事なまでの夫のボケ役具合に、どう突っ込みを入れれば良いものか

「とにかくイムジャは、此処に居て下さい。一歩も部屋から出ぬよう」

チェヨンの顔は至極真剣な表情で、ボケどころか素だからたちが悪い

ウンスは頭を抱えるよう、肩の先から大きなため息を落とした

「違うわよ。聞いてってば」

最終手段で袖を掴み、それをぶんぶんと振り回し、お得意の【袖掴み】で夫の心を擽る作戦を取る

「ねぇ、あなたぁ~。落ち着いて大丈夫よ。んっ?ねぇ?」

上目使いに顎をあげる

「……何が大丈夫なんですか!」

「だからサンタさんなんて来ないし、そもそもサンタさんはアッパなんだから」

そう言うと、ウンスは、はぁ~~、と、また大きなため息を吐き溢した

妻の様子から、もしや自分の勘違いだったのではないかと、だんだんと落ち着きを取り戻していく

「ねぇ、もう、馬鹿なんだから…ナムジャはナムジャでも、アッパよ?サンタさんは、私のアッパなの!!」

ほらほら座って、落ち着いて。ね?と、窘めるよう、袖を引き、夫を座らせる

「どういう事です?」

興奮もだいぶ落ち着いてきたようで、やっと、聞く耳を持ってくれた事が見て取れた

「だから、サンタさんはね、天界のイベントなの。遊びよ、遊び!!」

「遊び?」

「そう。だから、夜這いとか、そんな疾しいもんじゃないわよ」

「夜更けにイムジャの枕元へ忍び寄るのだと聞き、俺はてっきり…」

「もう、呆れちゃうわ…もっとね、純粋な子供のイベントなのよ?」

「幼子のいべんと?」

「えっと、何て説明すればいいのかしら?ん~とね、余興よ余興」

「幼子の余興ですか?」

「うん。そう…。子供にね、アッパが、プレゼントをあげるの」

「ぷれぜんと。とは、確か、贈り物を意味する言葉でしたね?」

「うん、そう。でもね、ただプレゼントするんじゃなくて、赤い服を着てね、夜中にそーっと枕元にね置いておくのよ」

「静かに?」

「そうよ。寝ている間にね。もう…だから、夜這いじゃないでしょ?」

「……」

やっと、事の全容を理解したチェヨンは、引き攣り笑いを浮かべる…

「すまぬ…俺はてっきり…」

「もう、ヨンァのパボ!」

「本当に…済まなかった」

「サンタさんを討つなんて…」

赤い服を来たぷっくりしたサンタさんに、剣を突き付け対峙する夫

その姿を想像したら、なんだか無性におかしく思えてきた

「あはは、サンタさんと、あなたが?あはは、真剣に真剣勝負?やだ、このギャグおかしぃーーー」

ギャグにならないところがまた可笑しい

「イムジャ…笑い過ぎです」

「あはは、だめー、もう、あははは、笑いが止まらないわ、あはははは」

抑えられず、笑い続けていると、だんだん、ムッスリと膨れていく夫

箸が転げ落ちても笑えそうだ

だが程ほどにせねばまずいと、経験で知るウンスは、笑い溢れた涙を拭い取った

「ねぇヨンァ。あなたもアッパになったら、やらないとね。サ・ン・タさん♪」

笑いを鎮めるべく、話の論点を変えようと言った言葉がまた笑いを誘う

「ぷっ」

堪えられず吹き出してしまう

「何です?」

「あはは、あなたがサンタ?赤い服?白いひげ?だめ~笑い過ぎて苦しい~!」

「イムジャ…」

「お腹痛い~あなたがサンタさん?駄目こっち向かないで!あ~涙が、あははは」

「……」

顔を曇らせ、むくれた表情を見ているだけで、妄想が膨らみ笑いが加速する

チェヨンはお腹を抱え、笑い転げるウンスを呆れた表情で、深く見つめた

陽の光を失い、暗く寒い冬が訪れた

そして、再び眩しいほどの陽が降り注いだとき、人は何を思うのだろうか

目を向けるのすら憚れるような笑顔が、ここに…そして今は俺のすぐそばに

イムジャ…イムジャ…ウンス…

瞼を閉じ、再び開き立ち上がる

突然、ウンスの体が宙に浮く

「キャッ、やっ、ちょっと!」

急に抱きかかえられウンスは驚いた

「さんたの、仕組みは分かりました」

「へっ??」

「さんたとやらに、俺がなるか、ならないか。まず子が居らねば、そもそも仕組みが成り立ちません」

「はい?」

「さんたは父で、子が必要なのでしょ?」

先程までの膨れ顔はどこへやらで、目を細め、薄ら笑いを浮かべる

「えっえっ、えっ、えっ?」

目を丸くし驚くウンスを見て、今度はチェヨンが肩を震わせて笑い出した

「つまりは…まずは子作りです」

「あっ、あっ…えええ」

与えられた最高の名分を見逃すチェヨンではなく、笑い転げた代償の重さを、身に染みて感じるはめとなった



  お正月

「お正月は、その、その、えっと、新しい年を祝うのよ!!!」

「……」

「夜這いとか、子供とか、子作りとか関係ないからね!!」

「イムジャ、やけに、必死ではないか。何か、疾しい事でも?」

クリスマスに受けた虎馬が、ウンスの挙動をおかしくさせる

それをニヤケ顔で見守るチェヨン

新年の「姫はじめ」の習わしは、絶対知られてはならないと、堅い決意をするウンスであったとさ



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