画像修正・【お話・合成】 (ウンスの出産3) | 信義(シンイ)二次小説

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※ウンスの出産1~の続きです
画像が少し変だったので直しました


「ウンスや、すまぬな…」
これから父となるその人の叔母は、首を小さくもたげ申し訳なさそうに言った
「叔母様…」
力なく吐息と共に言葉を吐く
「子を産み落とした経験もなく、私では役不足かもしれぬが…傍におる事は出来る。どうか許してくれ」
チェ尚宮は詫びの言葉を告げると、痛みに打ち拉がれるウンスの手をすくいあげた
ガサガサとした両手の中に、ウンスの手をすっぽり包み込んだ
励ますよう力強く握りしめる
ウンスはそれが妙に心地よく感じ、目を瞑りその感覚に身を寄せた
オンマが居てくれたら、きっとこうして手を握ってくれたのだろう
叔母様が私とっては高麗の母だ
痛みが少し和らぐようだった
チェ尚宮は話を続けた
「あれの母は産後の肥立ちが悪く、早くに逝ってしまった。聞いておろう?」
ウンスは小さく返事し頷いた
「そなたに万が一の事があれば、あいつは生きていけぬだろう。だから、何としても元気に和子を産んで貰わねばならぬ」
誰よりも傍に居たかったはずだ
ヨンの心痛なほどのその思いは…この私が誰よりも分かっているつもりだ
だが今は万全の体制を整えねば…これは分かっていればこその判断だった
それが私の今為すべき役目
あやつはウンスが万が一の事態に陥れば、正気では居られぬはず
男は土壇場で弱い生き物だが、腹に子を成した女はそれとは違う
きっとこの娘(こ)はやり遂げてくれる
どこか懐かしい思い出が…
過ぎし日にヨンが産まれた日の事が、チェ尚宮の脳裏に浮かんできた
今日のような暑い日であった
あの日も兄上は、義姉上の部屋の前で、うろうろと行ったり来たりを繰り返した
義姉上が声を上げるたび、兄上はどうしたものかと大きな体を揺らしていた
外から差し込む陽の光に視線を向ける
キラキラと輝く光の中に、今は亡きチェヨンの両親の姿を見た気がする
兄上、義姉上、どうかこの二人に、無事元気な御子をお授け下され
そう思いながらふと戸の外を見ると、そこに居るはずのない存在に気付いた
先程自分が追い払ったはずの、大きな影が舞い戻ってきているではないか
鼻から笑いが漏れ出る
やはり親子か…似た者同士だな
心の中で呟くと、またチェ尚宮は呆れ笑いを浮かべて、その影を愛しそうに眺めた

ウンスが激しい痛みに声をあげる度、天からいっぱいの陽を浴びた大きな影が、ゆらゆらと揺らめいた
その塊が映し出す影がすくりと腰をあげ、こちらに近づいてきたかと思えば、戸の前でぴたりと止まり
そしてまた離れていく
今度は離れていった影が、憂いを帯びた灯篭が落とす長い影のように、廊下を大きく右から左へ動いていった
何度も同じ動きを繰り返している
もう何度、端から端を行き来した事だろうか、数えるのも馬鹿らしくなるほどだ
くすくすっ…
もう…やだ…あの人ったら、結局もう、ここに戻ってきちゃったのね…
ずっとそうしているつもりなの?
ウンスは声をたてて笑う気力すらなく、じんと温まる胸の奥で笑いを零した
夫の立ち合い出産は、もちろんここ高麗では普通ではあり得ないような話
だけど、やっぱり私は、この人にその瞬間を見て欲しい気持ちがあった
命が誕生するその瞬間を…
最初は反対にあうものの、チェ家では何だかんだとウンスの勝ちは目に見えていた
何故なら家長であるはずの主が、妻の尻に敷かれきっているからだ
しかし結局は追い出されてしまった
扉の外にあの人がいると思うだけで、傍にいてくれるのだと思うだけで力となる
あなたが傍に居てくれるだけで、自分を奮い立たせることが出来る
まさか私が歴史に名を轟かせた、チェ・ヨン将軍の子を産むとは思いもよらなかった
私が産む子から続く子孫が、もしかしたら現代に残してきた両親と何かしらの接点を生み出すかもしれない
そう思うと不思議な気持ちになり、小さな希望の光が見えるような気がする
新たな命が命をつないでゆく
そのためには私は、頑張って元気な赤ちゃんを産まないと!!
もう一度自分に気合いを入れなおすと、力の限り腹に力を込め踏ん張った

「少し横になってください」
ミレを覚束ない手つきで抱きかかえながら、チェヨンは微笑みながら言った
「イムジャ暫くは、床から出てはなりませぬ。分かりましたか?」
笑みを作るチェヨンの眸の奥には、刺すような強い力が込められていた
どうやらもう小言が始まったようだ
おかしくなりぷっと吹き出してしまう
きっとこの人は、私がそうしないとでも、思っているのだろう
私に向けるそんな疑いの眼差しに、眉間に皺よせた顔がどうにも可笑しい
「はいはい。分かってますよ。うるさい父様ですね~」
ウンスは素直に言う事を聞くのが、ほんの少しだけ癪に障り態と悪戯に返す
父となったチェヨンの胸に頬を寄せる、ミレを覗きこんでその柔らかな頬を、つんつんと指でつつくと
「イムジャ早う横になって下さい」
からかうように言ってすぐに寝ようとしないウンスを、じろりと横目で睨み付ける
ひゃっ、と体を震わせた
「あらっ怖い。分かってますってば…じゃぁ、着替えちゃおうかしら」
口煩い夫からの、とばっちりが大きくならないうちに、大人しく従う事とする
娘を抱きかかえるチェヨンを幸せな気持ちで見眺めながら、整えた衣を再び夜着に替えウンスは体を横たえた
「ねぇ、ヨンァ」
横になると目をくるりとおどけさせ、意味ありげに声をかけた
「なんです?」
娘に向けていた蕩けてしまいそうな目のまま、チェヨンは振り返った
今にも零れ落ちてしまそうなほど、目じりと頬が緩みきっている
こんな顔を見れるならば、あの苦労もまんざら無駄じゃなかったわね
溢れんばかりの笑顔にそう思えてくる
無事に娘を産み落とした感謝の思いが、胸いっぱいに広がっていく
チェヨンの目を見つめて言う
「ずっとそばに居てくれたのね?」
「えっ?」
思ってもいなかったウンスの言葉にどきりとし一瞬真顔になった
しかし、既に見抜かれている事を悟ると、コクンと首を頷かせた
「ヨンァ…あんなにずっと行ったり来たりしてたら、あなたも疲れたでしょ?」
くすくすと笑いながら問いかける
何時間そうしていたと思うの?
すっかりとバレてしまっている事が気恥ずかしく、チェヨンは苦笑いを浮かべた
「イムジャに比べれば俺の疲れなど、どうって事はありません…」
とはいえ待っている方も、やはり辛かっただろうと…チェヨンの表情を見て思う
心配性のこの人の事ですもの…
微弱陣痛が続いて一日半もかかってしまったんだから、どれほど気を揉ませたか
「ねぇ…そばに来てくれない?」
布団の端に自分の体をずらすと、ウンスはポンポンと布団を叩き、その叩いた手でチェヨンを招き寄せた
チェヨンは口の端に嬉しそうに笑みを浮かべ、ウンスのすぐ横にミレを寝かしてやる
にっこりとほほ笑みを浮かべるウンス

 
  
今までも俺は、何度となくこの方の美しさには目を見張ったが…
娘と添い自分へと笑顔を向ける妻のあまりの美しさに目が奪われて、チェヨンの動きが止まってしまう
「ヨンァ…」
硬直する夫を促すように声をかける
はっ我に返ると、娘ミレを妻ウンスと共に守り包み込むように、自分も大きな体をその横に横たわらせた
父、母、娘が寄り添い、家族三人水入らずの幸せな時が、その部屋の中を包み込む
「イムジャ大義でした…体はお辛くないですか?痛みなどは?」
ウンスはにっこりと微笑むと
「少しね…」
と頷いて言いながらも、でも大丈夫よと口をキュッと引き、柔らかに眸で語りかけた
この子の元気な泣き声を聞いた途端、痛みなんて吹っ飛んでしまったわ
横に添うミレの柔らかな髪を、親指の腹を這わせ優しく撫でてやる
それにね…あなたのその嬉しそうな顔が、何よりも私を癒してくれるのよ…
ウンスはチェヨンに慈愛の視線を向けると、近くにきたチェヨンの顔を確かめた
あなたにまた会えた事が嬉しい
御産でこんな風に思うなんて、どれほど子を産む事がすごい事か…
今回の事で本当に思い知らされた
私もまだまだドクターとして半人前だったわね…今はそれが良く分かったわ
今度はミレに視線を落とす
心地よさそうにあどけなく開いた口に、途轍もない愛おしさがこみ上げてくる
涙がじわりと浮かんできた
「イムジャ?」
どうしたのですかと首を傾げ、自分の姿を心配そうに眺めていたチェヨンに気づくとウンスも見つめ返した
「何でもないの…幸せで…幸せすぎて、なんかぼーとしちゃって」
ただ、それだけなの
この他愛もない時間をあなたと、娘と過ごせるのだという事が何より幸せで…
胸にほっと安堵の色が広がる
今になって全身の疲れを感じ始めた
休める時に少しでも休んで下さいと、先ほど産婆さんが言っていた事を思い出す
「ヨンァ…疲れたわ。少し眠りたいの。私の背中に来てくれない?」
んっんっと、乞うようにウンスは顎を突き出してお願いをする
チェヨンはふっと笑うと
「その前に…」
そう言いかけ続きを行動で表した
ちゅっ押し当てるように、すやすやと眠るミレ越しに口づけを落とす
「あら?なに?」
上目使いで顔を覗き込み笑う
「よう頑張った妻への褒美です」
しれ~とした態度で答える
「やだ~なによそれ」
その偉そうな態度がおかしくて、顔いっぱいに笑顔が広がっていく
「そしてこれは、俺への…」
「んっっ」
驚いてウンスは目を大きくする
チェヨンの顔が近づき、不意打ちにもう一度唇が押し当てられた
「イムジャ。このくらいにしておきましょう…これ以上は、止められなくなる」
胸がキュンと擽られるようだ
我が夫は母となり子を出産した私に、未だ変わる事のない愛を向けてくれる
そんな可愛い事を言う人なんだ
そうこう思い描いているうちに、チェヨンが背に来て横たわった
後ろから大きな体で抱きしめてくれた
「イムジャ…」
この心の奥底からの感謝の気持ちを、あなたにどう伝える事ができようか…
俺のためにこの地へ留まり、こんなにも愛しく思える、子まで成してくださった
言葉などでは言い尽くせまい
チェヨンは抱きしめる腕に、己のその想いをぶつけるよう、ありったけの力を込めた

 
そして三人は仲良く眠りに落ちた


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