【お話】 ウンス天女になる4 完結 | 信義(シンイ)二次小説

信義(シンイ)二次小説

りおのシンイParty☆


   二週間後の事

ヨンァが今日帰ってくる
あの日私はオンニをはじめとした、スリバンのみんなの手助けもあり、追手のヨンァを上手く巻くことができた
でも帰ってきた早々、スリバンの子たちを訓練と称して、ぼこぼこにしたって噂
覚悟はしてたけど…びびっている私
逃げ出す?逃げ出そうか?どこに?
本気であの人から逃げ出す事が出来る場所なんて、きっとこの高麗全土ならず他国を探してもある訳がない
ヨンァ見逃してくれない?

やっとこの日を迎えた
俺が遠征先でどれほど腹立たしい思いで、この日を待ち望んでいたか
あの日俺はすぐにイムジャを追ったが、彼奴らがイムジャに加担していた
さすがにあの短時間で、スリバンが手を貸したイムジャを見つけ出すのは困難だった
覚えておれ。俺を謀ったらどうなるか…まぁよい。どう足掻こうが最後に泣きを見るのはイムジャだ。分かっておるのか?
やられたことは、倍返しにして…いや、何倍にもして返してやる
イムジャしかと覚悟せよ!


   二人屋敷にて

どれだけ小言を言ってやろうかと思い、あれだけ覚悟を決め帰ってきたものの…
この方の笑顔を見た瞬間、俺は何も考えられなくなってしまった
くそっ、腹が立つ
イムジャはきっと、それすら計画のうちだったんだろう
そう思ったら途轍もなく悔しく思えて、憎らしくて仕方なかった
二週間もイムジャと離ればなれとなり、俺が…堪えられぬ事も分かっておるのだ
腹立たしい事この上がないが、それに抗えぬのは他でもない弱き己
薄々、自分でも感づいていたが、俺は部屋でイムジャを目にした瞬間それを悟る
ならば、己の欲望に抗っても仕方あるまい
俺には俺のやり方で…
寝台に押し倒すと、小言の代わりに嵐のように口づけ、また衣を剥ぎ取ってやった
覚悟はしておったのだろう
イムジャは今日は文句ひとつ言わず、めずらしくにそれに応えた
もしやこれすら計画のうちなのか?
全てこの方の思うようになったと思うと、腹の虫がおさまる訳がない
可愛さ余って憎さ百倍とは、まさにこの此の事を言うのだろう
その上、このまま素直に遣り込めれるのも耐えがたいものがある
せめてイムジャに何かし返してやりたくて、偉そうにツン主張したそれに、悔し紛れに何度も歯をたててやった
そして、怒り狂った矛先をイムジャの中へと…俺は力の限り突き立てた

「あっ、んっんっ、ヨ…ヨンァ…私が悪かったわ…本当に謝るから…ね?だっ、だから、もうお願いお終いにして寝ましょ」
「まだです」
「ん…んっあっ…だから反省したってば」
「イムジャの反省などと言う言葉は口先だけ。ならばこの身に、あのような事をすればどうなるか、覚えさせるより他ない」
「だから、もう嫌ってほど身に染みたって。んっ…んん」
「今、俺に嫌だといいましたか?」
「あんっ。んっ…ヨンァ、馬鹿ね、久しぶりに会えたのよ。嫌な訳がないでしょ」
「ふっ。嫌ではないと?」
ヨンァったら誘導尋問だ
「あっっ、あなた、酷いわよ。そういう意味じゃ…も~意地が悪いわ」
「嫌でないというならば、大人しくこの続きに集中してください」
「なりませぬ…」←ウンス
「なりませぬなど、なりませぬ」←ヨン
「ヨボ。もう、ゆ・る・し・て」
「プイン。ゆ・る・し・ま・せ・ぬ」
「あ~ん。ねぇ、ヨンァ~ 騙して本当に悪かったってば。今度の反省は本当よ」
「先ほどまでが俺を謀った分。これからが二週間ぶりにイムジャを抱く分です」
「もう、本当に無理だってば」
「俺の此処も、このまま引き下がれぬ」
チェヨンは動かしていた手を止めると、下を俯いてウンスの視線をそこに向けさせた
「ちょっと、やだ。またそんなにして…あなた、どんだけ体力あるのよ」
そこで、しっかりと存在感を誇示しているそれにぎょっと驚くウンス
「どれだけでも」
ふっと鼻先で笑う
「冗談じゃないわ、私がもう持たない」
全く。もう何度目だと思っているのよ
「…ならば…イムジャが…してください」
じろりと睨み付けるように窺う
「……えっ…」
「…それなら良かろう?もう一度、イムジャの中に?それとも?」
チェヨンはそう言うと、にやけ顔でウンスの両方の口を、交互に見比べたのだった
「……」

ぱくりっ
がぶがぶがぶ
ゲコ、ゲコッ

「イムジャ、大丈夫ですか?」
「大丈夫。むせただけよ

蛇と蛙の対決
最終的には「蛇」が「蛙」に飲み込まれる事で、穏便に収束したのだった


  そのまた2週間後の事

ウンスの天女姿の美しさを賛美する噂は、瞬く間に開京中へと広まりを見せた
重臣だけでなく宮殿内で勤める者たちが、みなその姿を一目見たいと騒ぎ始めた
断固として断りを見せていたチェヨンであったが、チョナまでもが興味を持ち始めた
天女に現を抜かすなど風紀が乱れる。等の名分を立て、チェヨンは聞く耳をまったく持たず拒否をし続けていた
しかし勿論チェヨンの本音は、ウンスの美しい姿を誰にも見せたくない
ただ、それだけだった
あのようなイムジャの姿は、俺以外の者等に見せてなるものか
一人の男としての独占欲
しかし、噂話に尾ひれがついて皆の期待が膨らみ続け、予想以上に大事になる
そのため残念ながら、チェヨンの思う様に事は運ばなかった
「我が国に天女が舞い降りた」
そうまことしやかに囁かれる事は、国にとっての強みになるとチョナの鶴の一声
重臣達がそれに口々に賛同する
さすがの大護軍と言えど、それに対抗する名分を作りあげるのは困難だった
一週間後の桜を愛でる宴席で、ウンスの天女姿を披露することになってしまった



  市の衣装屋にて

チェヨンとウンスは、叔母チェ尚宮を伴って、市で衣装選びをしていた
「嫌よこんな服、変よ」
せめて天女の衣をもっと”ましな物に変える” と言う条件をチェヨンが出して、ウンスと折り合いがついた
「何が嫌なのです」
これならば全てが隠され、最も適した衣ではないか。これの何が不服だというのだ
「だって、こんなのカラス見たいじゃない。ウダルチの衣装と一緒よ」
チェヨンがウンスのために散々比較、熟慮した上で選び出した一枚の衣
それは全身黒ずくめで、手首足首までしっかりと覆われていた
「ヨン。御前は馬鹿か」
どれだけ女の衣に悩んでいたかと思えば、出てきた衣がこれか?
これが私の知る甥か?呆れて物も言えぬ、あいた口が塞がらぬとはこの事だ
市に同行していたチェ尚宮が、チェヨンの後頭部をぱしりと叩き叱咤する
「このような衣を身に纏わせれば、御前の嫁が妖魔だと悪しき噂が立つ。御前はそんな事も分からぬのか」
チェヨンは叔母チェ尚宮にそう指摘され、立つ瀬がなくなり不満げに横向く
「では、こちらで」
チェヨンは鬱陶しそうに顔を歪め、もう一枚の衣を指さす
「ちょっと、何で今度は茶色なの?春なのよ、もっと可愛い色がいいじゃない」
そんな地味なの絶対嫌よとウンスが、ぶんぶんと首を振って抗議をする
チェヨンは諦め交じりに、腹の底から大きく息を吐きだした
「…分かりました。胸元の…谷間が露出せぬ事…手首、足首まで衣で覆われておる事。それらの条件を満たせば…その他の事は黙認する。イムジャの好きにするがいい」
叔母の手前もあり言いづらいのか、もごもごと口ごもるように言った
「えっ、本当?私が選んでいいの?」
両手を合わせ目を輝かせる
横向けた顔を顰めたまま、あぁと短く言い、しぶしぶと頷くチェヨン
「嬉しい!ヨンァありがと」
ウンスは喜びに沸き踊る
首元に飛び飛びかかるように、ぴょんと跳ねて抱きつきそうになるのを、チェ尚宮が慌てて押さえつけた
アハハ、つい嬉しくて。こんな所でまずいわねと、ぺろりと舌を出す
災い転じて福となす。もう1枚着れるのね。そうと決まれば、楽しまなくっちゃ♪
「叔母様。こっちはどう思います?」
ウンスは目の前にある衣の山を、あれでもないこれでもないと吟味を始めたのだった
チェヨンは腕を組んで、不満げな顔でその二人の姿を見眺めていた
「綺麗な色だ。悪くない」
チェ尚宮が微笑み頷く
「あっ、これも可愛い。パステルか。ピンクだと桜ぽくていいかしら?」
「だが、桜と同じ色だと同化してしまうのでは?こちらはどうか?」
「そうね。叔母様いい事を言うわ。本当に、すごい綺麗な色。これにしようかな」
くるくると表情を変えるウンス
チェヨンはそんなウンスの姿を可愛らしく思ってしまう自分が大層悔しかった
俺の気持ちも考えずこの方は…
まったく冗談じゃない
イムジャは俺の事も忘れ、そのように嬉しそうに目を輝かせ…くそっ、気に入らぬ
はしゃぎ回るウンスの姿を、目を細めながら、憎々しげに見つめていた
「装飾品も選ばねばな」
チェ尚宮が言うと、ウンスがチェ尚宮の衣の袖を掴み手繰り寄せる
「ねぇ、叔母様。どうせだったら、叔母様も一緒に着ましょうよ」
女子会の時は王妃様の手前、遠慮されて叔母様は着飾らなかったもの
「私がか?」
「そうよ。またファッションショーって言うか、その日くらい尚宮さんや、ムガクシの皆さんも着飾ってもいいんじゃない?」
女たちが皆、着飾るだと?はっ、何をまたイムジャは、余計な事を言い出したのか
チェヨンが呆れ顔で睨み付ける
「私も着てみても良いのか?」
「当たり前じゃない叔母様。私がきれいに、叔母様をお化粧をしてあげるわ。きっと素敵になると思います」
「では…そうしよう」
照れくさそうに頬を染めた
「叔母上!!」
チェヨンが叔母チェ尚宮を窘めるように、強く声を張り上げると共に、ならぬと首を左右に大きく振った
「ヨン。宮殿の女たちが美しく着飾れば、華やかになり男達も喜ぶだろう。たまの宴席だ悪くなかろう」
「悪くないだと?冗談じゃない」
「ふふっ…ヨンァは本当に堅物よね?」
「ウンスや。此奴は堅物なのか、はたまた腑抜けた男か分からぬものだぞ」
チェ尚宮は意味ありげに、そのチェヨンと、妻ウンスを交互にチロリと見遣った
「誰が堅物だ?腑抜けだ?」
叔母に痛いところを指摘され、やましさもあってか激しく動揺するチェヨン
高らかに笑うチェ尚宮とウンス
そしてそこには、再びぶっすりと膨れた、男の姿があったとさ


  花見の宴席にて

(イメージ画像:アメ限定)

前回のとは、また雰囲気が違います。どっちがお好みかしら

下手に事前に見せては、また邪魔をされる
ウンスの決死の抵抗にあい、チェヨンは事前に衣装を見せてもらえてなかった
そのため、今日初めて選んだ天女の衣を目にする事となっていた
花見の会がはじまり、チョナの挨拶の後、杯が酌み交わされた
その日は幸い天候にも恵まれ、暖かく花見に適した日だった
風が花の香りを運び、美味しい食事と酒
そして、宮廷の女たちが、ウンスの頼みを聞いた王妃の計らいもあって、皆いつになく美しく着飾り男たちを喜ばせていた
宴もたけなわになった頃、本日の主役ウンス天女のお披露目がはじまった
会場が静まり返り、天女ウンスの登場に、胸に期待を躍らせた
幻想的な音楽が流れた後、 チェヨンの出した条件を満たした衣を身に纏う、天界から来たウンス天女が高麗の宮廷に降り立った
それは誰しも、息を飲むような美しさ
本当に宮殿に天女が舞い降りたと、目にした者たちは口々に賛美をした
此度の衣は、選びに選び抜いて、肌が露出しておらぬはずだった
だが、あまりに美しすぎる…
チェヨンはウンスの天女姿を一目見た瞬間から、また胸の中がざわめいて穏やかでいられなくなってしまった
そして、ウンスの披露が始まって僅か四半時足らずで事件は起こる
首根っこを掴まれチェヨンに会場から連行されていく、可哀想なウンスの姿があった


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