私は彼をシュッドと呼んだ。
俺は彼女をシュッドと呼んだ。
シュッドの隣
ぽとり。
何かが落ちる音がした。
ふと目線を下げてみると、見覚のない消しゴムがいた。
椅子をひいて、それを拾い上げ
隣のシュッドの机に投げた。
「いてっ」
コントロールが悪く、シュッドの頭に当たった。
シュッドがこちらを見る。
目が合った。
にたり、と嫌な笑い方をしてみせると
シュッドはきつく睨んできた。
シュッドの口は何か言いかけたが
言葉が出てくることはなかった。
シュッドは前に向き直り
今度はホワイトボードを睨みつけた。
つまらない…
気づくとあたりはまっくらになっていて
部屋にはシュッドしかいなかった。
「シュッド、いたんだ」
シュッドがこちらを見る。
吸い込まれそうな大きな瞳。
整った顔立ち。
流れるような髪。
彼女は。彼は。
まさにシュッドだった。
「「シュッド、」」
私は。俺は。
シュッドに手を伸ばす。
指先が触れた-
線路の上。
灰色の煙に愛を混ぜて
常に吐き出す。
谷底にも聞こえるような
低い悲鳴を上げ。
あんたの名前を叫ぶ。
シュッド。
それは、俺だけの。
それは、私だけの。
大切な思い出-。