ウラッハの芸術










またまたご無沙汰してしまいました。


先月、この復刻CD11枚組を購入して以来、

繰り返し聴いています。


レオポルド・ウラッハ。

ウィーンフィル伝説のクラリネット奏者。


その音色は、「馥郁たる」という言葉で語られる。


その音色を求めて、私は、オリジナルのLPを探し求め、

購入して聴いてきた一人である。


しかし、特に代表的ディスクである、

米国ウエストミンスター社による

モーツァルト作曲・クラリネット五重奏曲(ウィーンコンツェルトハウスと共演)は、

あまりに音が貧しく、その真髄を感じることが難しかった。

音楽は停滞して、「なぜこれが名演なのか?」という疑問符が

頭につきまとった。


同じくモーツァルトのクラリネット五重奏曲の

シュトロースカルテットとの録音(独ベルテルスマン社)も、

上記よりもまだよかったものの、

それでも「こんなものか」という感がぬぐえなかった。


しかし、このCDをたまたま、

某レコード店で聴いて、

びっくりたまげたのです。


特にコンツェルトハウスとのモーツァルトは、

ウラッハのクラリネットも透き通ってかつふくよかな音色だし、

弦楽器も、特にアントン・カンパーのなんと艶やかな音色なことか。


驚天動地とはこのこと。


レーベルは、SCRIBENDUM

いくつかのヒストリカル録音を手掛けているレーベルだ。

輸入盤とのことだが、詳細は分からない。

エンジニアの名前もリーフレットもない。


私のにらんだところでは、

日本人がなんらかしら噛んでいるのでは?と想像しています。


しかし、どんなレーベルであるにせよ、

このCDは、ウラッハの再評価につながる逸品であることに、

間違いはありません。