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今までの経緯

 2024年

  ㋀25日:早期食道がんと診断、ステージ0。

3月4日~16日:内視鏡にて1回目の切除。

9月2日~14日:2回目の切除。

9月25日~10月1日:3回目の見落とし部分の切除。

 2025年

4月14日:胃の上部に進行がん見つかる。

5月1日~10日:食道摘出前の抗がん剤投与。

5月22日~31日:再度抗がん剤投与。 

6月13日~7月20日:6月20日食道摘出、ステージⅡb。

9月25日:肝転移発覚しステージⅣbに。

10月2日~3日:オブジーボとヤーボイ併用の化学療法始まる。

12月16日~:副作用による体調不良で8度目の入院

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 2025122日。

 ナースコールのベルが鳴り響いたところで、私は目覚めた。

 ブースにナースコールのベルが鳴ることがあるのだろうか。

 私のところではない。

 いつまでもなっているので、つい私は、

 「うるさいな」と他の患者に聞こえるように言った。

 正面のブースから、

 「あの音は心電図の音で、心臓が止まった時に発する音だわ。しかし、ちょっと早すぎるわ」というや、けたたましい足音を立てて音のするブースに向かったようだ。

 しばらくすると、その足音は部屋を出て行った。

 ー一体何が起こったんだろう?

 私は不審に思い、心電図の音がするブースのカーテンを開けて、中をのぞいてしまった。

 そこには、ベッドの上で手を組んで横たわっている患者がいた。

 ー死んでいる。

 思わず声を上げ、気が動転していたのであろう、正面のブースのカーテンを開けてしまった。

 ベッドに腰かけていた男が、私をじっと見つめた。

 「すみません」と反射的に詫び、カーテンを閉めた。

 ブースに戻ると、なむあみだぶつと先ほどのブースから男のお経を唱える声が聞こえてきた。

 ー何事か?こんな夜中に一体何が起こったのか、説明位ないものか。

 どのくらい時間が過ぎただろうか、話し声が聞こえてきた。

 「佐川会長がお亡くなりになりました。ここで会長の遺言を発表します。私は、会長より遺言について一切任されている弁護士の矢野と言います」と言って、会長の妻、子供たちへの相続内容が読み上げられた後に、驚いたことに私の名前と相続内容が告げられた。

 「沢藤南湘さま、xx市にある駐車場一式を譲る」

 なんで私に相続する権利があるのか心あたりが見つからない。

 ーそういえば、半年前ぐらいだろうか、親戚の叔父からもらった家系図に遠い親戚に佐川という名があったのを思い出した。

 この儀式が終わって皆が帰るのを待って、私はブースを出てトイレに行った。

 用足しを終えて、トイレから出るとナースステイションから聞き覚えのある声が聞こえた。ただ、何を言っているのかは聞き取れなかったが、その声の主に悟られずにブースに戻った。

 彼に見つかるとどこかに連れていかれるのではないかとの恐れから、私は掛け布団を頭からかぶった。

 彼の声が止み、足音の遠ざかるを確認して、布団から顔を出すとブースのカーテンに浄土真宗のお経が書き連ねているではないか。

 私は、それを読経した。

 翌日、歯を磨きにブースを出ると隣の患者に出くわしたので、とっさに昨日の件を謝罪した。

 「昨日は失礼しました」

 「私はそんなこと気にしていません。ただ、昨日のことは誰にも言わないほうがいいですよ」

 この言葉を聞いた私は、昨日起こったことがどこまでが真実なのか、また夢なのか分からなくなった。

 昨夜心電図のアラームが鳴っていたブースは、朝早く掃除されその後、新しい患者が入ってきたことに私は驚いた。

 ーまさか

 一連の幻覚(一部は事実があったのかもしれないが)は、今思うに黄泉の国への誘いだったのか?

 

                  お読みいただきありがとうございました

                 皆様にとって、良い日でありますように