Tは50代後半で、東京都の緊急雇用対策かなんかの絡みでウチの会社に中途採用されてきた。
小さな会社なので20程歳下の私が一応先輩として仕事を教えた。
といっても、少ない給料に準じた簡単な仕事だ。それでもパソコンに不慣れなTにとっては必死だったようだ。
繰り返す日々・・・
覚えが悪い。でも仕方がない。
そのうちほぼ私語のない会社でTは私にこう言った。
「いやぁ~ パソコン打つの早いですよね~」
褒め言葉だ。
私は自分でパソコンスキルが低く、入力は遅いとわかっていたのでなんか嫌味に聞こえたし、
私程度を本当にスゴイと思ってるとしたらこの人今まで事務仕事したことないんだろうな。とおもった。
そして何よりいきなりコミュニケーションのきっかけに褒め言葉を使ったことに対し本能的に、コイツを信用してはいけないと感じた。
それは的確な自己判断であった。