うちの女房は二回ほど堕胎している。

いずれも、俺は産んでほしいと思った。子供の名前まで考えた。

しかし、女房は堕ろした。


理由は、
「子供が増えるとピアノが弾けなくなる」
だった。

思えば、あの時に別れておくべきだった。

そんな奴が奏でる楽曲に何の価値があるだろうか?

人を粗末にする芸術は独り善がりの醜物である。

もはや芸術とは言えまい。

しかし、この世界は何と理不尽なのだろう。子供が出来ず行き詰まる夫婦がいる。
子供が出来たのに行き詰まる夫婦がいる。

神がいるならば頭の中をカチ割って見てみたい。