読了(11)、他
読了本を数冊。
まずは、夏樹静子さんの『量刑』上下巻(文春文庫刊)。
タイトル通り、「量刑(*)」がテーマの小説。
思っていた以上に、審理の過程がリアルに描写されていて、とてもずっしりと重みのある本だった。「法廷小説」(というジャンルがあるの?)は、殆ど読んだことがなかったので、今後この手の本を読むと、物足りなさを感じてしまうかもしれない。それは、解説者が評している通り、この本の「堅牢なる細部」に圧倒されるからだ。とにかく、情報量がすごい。知識もすべて裏付けされていて、手続の根拠をいちいち刑訴法条文で示しているのには、正直驚いた。ここにも「堅牢なる細部」が示されている。(まあ、「量刑」がテーマの小説なので、それはそれで当たり前というのかも知れないけど…。)
上巻は、主として主人公(被告人)の刑事裁判が描かれている。伏線として、被告人を裁く裁判官の家族に関する物語が進行する。三人の裁判官(裁判長裁判官、右陪審、左陪審の裁判官)による合議の過程がここまで真実味をもって描かれているのは、この本だけでは…と思ってしまう。それと同時に、どうしてここまで知っているんだろう?とも思う。やっぱり取材の成果なのかな?(それはそうと、小説で扱うからといって、裁判所はこういった取材をさせてくれるものなのだろうか…??だって、食堂のメニューまでリアルに書かれているんだもん…。)
下巻は、上巻で伏線として進行していた話が全面的に出、ミステリっぽい展開に。こういうことってあるのかしら…とも思ったけれど、それはそれ、エンターテインメントなので。ラストも、「こうきたか…」という感じで結構以外だったけれど、「手続上そうなる」のが分っていれば、結末も自ずとこうなるもんな…と納得。落ち着くところに落ち着いた、ということなのでしょうか。
とにもかくにも、久々に面白い長編小説でした。
次は、少年犯罪関係。最近この手のノンフィクションものばかり読んでいる。
- 草薙 厚子
- 少年A 矯正2500日全記録
文庫化されたのを機に購入。
矯正教育の詳細な内容、過程を知ることができ、とても勉強になった。
修復的司法は…やっぱりわが国では難しいのでは。。。
もう1冊、ノンフィクションものを。
- 窪田 順生
- 14階段ー検証新潟少女9年2ヶ月監禁事件ー
現在読書中。確か『13階段』という本もあったはず…あれはミステリだったかな。
この事件は、別の側面で(別の世界で)物議をかもしたものでもあるけれど、その側面からの理由からではなく、「ありのままの事実を知る」という理由から購入してみました。
著者は元フライデーの記者さんだそうだ。冒頭を少々読みましたが、週刊誌の裏事情(?)というか、報道の裏事情が知れて、それはそれで興味深い。事件があるたび、どうして被疑者(容疑者)の写真が卒業写真なの…(もっと最近の写真にすればいいのに…これじゃあ若すぎるじゃん)?と思っていたけれど、そういう理由があったのか…大変なんだなあ。。。(しみじみ)
その他、読みたい本は、某執事本と、博士と島の本です。
どっちも高いので(泣)、読もうに読めない。
そしてどっちも、研究には全く役に立ちません。あははうふふ★
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* 量刑(リョウケイ)とは;
「一般に、処断刑の範囲内で具体的に宣告刑を決定することをいう。刑の量定ともいう。……量刑は、行為者の責任に応じて決定されるが、一般に、犯人の年齢、性格、経歴および環境、犯罪の動機、方法、結果および社会的影響、犯罪後における犯人の態度その他の事情を考慮するものとされる(改正刑法草案48参照)。」ーー三井誠他編『刑事法辞典』を参照。