あの日。突然思い出したのは、あの日のこと。毎日ただ同じ時間に起き、大嫌いなメイクをし、バスに揺られて会社にたどり着く……お昼休みに何を食べても味がわからず、必要最低限の会話しかせず、肩にのしかかる嫌気と身体のだるさだけが日に日につのっていった。……そんな日々を過ごす中で、わたしには唯一の楽しみがあった。それは音楽だ。ちょうどあの日は、前々から好きだったバンドのライブがあり、わたしは近所のライブハウスに来ていた。顔には出さずとも、開演前は期待とうれしさで胸がいっぱいだった。