「こんにちは。」
「こんにちは。」
「あの急にすいませんけど、水品さん、僕はさっき変な夢を見たんですけど聞いてもらえます?」
「私でよければ喜んで。」
「ありがとうございます。変な夢というのは、僕が周りが真っ白な世界の中心に立っているんです。」
「世界の中心?」
「はい。どうしてかは知らないんですが、そう決め込んでいました。それで、僕の横には僕よりも70センチほど高い木の杭が立っているんです。その世界が白ではないのは、僕とその杭だけです。」
「それは不思議というか、不気味ですね。」
「はい、今言われればそうですね―――続けます。僕はすることもないので、それにもたれかかったんです。するとその杭は僕の重みに耐え切れずに倒れてしまったんです。僕も一緒に倒れこんでしまったんです。その時、目を閉じてしまったんです。次目を開けたときには世界は真っ暗になってたんです。」
「真っ暗?杭はそこにあったんですか?」
「いえ、そこには何もありませんでした。あ、そういえば真っ暗でも自分の姿は見えた気がします。今考えると変ですよね。」
「まあ、夢ですからね。」
「そうですね。で、そこには何もないんですけど、すごく懐かしい気持ちになってしまい、つい泣いてしまいました。寂しいとか怖いじゃなくて、とても安らげたんです。そう、きっと母親のお腹の中みたいだったと思います。」
「起きたときには泣いてたんですか?」
「いえ、全然。で、気付いたら自分のベッドでした。」
「ふーん、でもたまにはそういう夢も良いですね。」



「と、水品さんが微笑んだら目が覚めたんです。」
「それは変な夢ですね。」
「はい、変な夢です。ある意味これも二度寝ですね。」
「そうですね、二度寝ですね。」
「あ、猫のアイシャに餌をあげなくては。」
「あ、私もクリスマスローズに水をあげなきゃ。」
「それでは、また。」
「それでは、また。」