葛城の迷宮 -72ページ目

『竜馬がゆく』

歴史小説というと、学生時代の授業中になんかムズカシイことを言ってたアレだろ!?
とか、実在した人物の伝記小説のひとつだろ!?
なんて考える人が多いと思う。

『竜馬がゆく』が、歴史小説の入門編として最も愛されているのは、
幕末を舞台にした主人公の青春時代の物語だからである。
熱く議論もすれば、恋もする。おまけにメシまで食べるんだぜぇ!!
(ピョン吉・ロックンロール、知ってる?)


司馬遼太郎作品の出だしは、ちょっと下品なエピソードから始まることが多い。
手が出しにくい歴史小説の敷居を下げて、読者が感情移入しやすいための配慮なのだろう。

『竜馬が行く』では、剣術修行のために江戸へ出立する竜馬が、姉の乙女に対して堅苦しい挨拶をするより、
幼い頃によくやった足相撲の勝負をしようと言い出す。
負けず嫌いな乙女は受けて立つが、子供の頃とは違い着物の裾を捲り上げてあえなく御開帳、というような具合だ。


竜馬というキャラクターは、理屈っぽいことが嫌いで、子供のような行動を大きな体で本気でする。
何にも考えていないように見せて、実は竜馬なりにいろいろ考えていることがある。
大河ドラマ『龍馬伝』では、正義感のかたまりのようだったけど、この小説では少しズルいような
ところも見せ、より人間臭さを感じる。

歴史的な事件に巻き込まることもあれば、個人的な問題に頭を抱えることもある。
幕末の日本で徐々に存在感を増していったりするが、数人の女性の間で恋に悩み、責任から逃げたりもする。

現在の多くの小説やドラマ、マンガなどに出てくる坂本竜馬像やエピソードの多くは、
全てこの作品の竜馬のキャラクターが元になっているそうだ。

約50年前に発表された作品だというのに、ほんとに読み易い。
興味を持ったなのなら、早いうちに読んだほうがいい。
なんとなくだけど、冷静に自分を見つめ直すことができる。
あぁ、中学生の頃に読んでいれば、
オレの人生も変わっていたかも・・・!!

なんて初めて読んだときは、ちょびっと後悔したくだいだ。


ヒマなときや時間潰しのとき、マンガのように途中の巻から読んでも面白い。
待ち合わせまでしばらく時間がありそうな時は、いつもジーンズの後ろポケットに
テキトーな巻を入れていくので、文庫本がボロボロになってきてしまった。

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎

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