第5話 【偽 (しょうげき)】
その日、俺は学期末の小論文の提出に向け
学内の図書館で調べ物をしていた
座席はほぼ満杯の状態・・・
だが、皆無言でペンを走らせている
ページをめくる音とペンを走らせる音
その音が、無言の図書館の中異様な響きを放っていた
「ここ・・いい?」
ふと声が聞こえた
「えぇ、いいで・・・す」
顔を上げた俺の前にいたのは、加藤だった
その瞬間、俺は頬が赤らむのを感じた
(加藤・・・)
席に座ると
資料を開くより先に加藤はこう口を開いた
「法学部の五十嵐祐二君・・・よね?
ちょっといいかしら・・・」
静寂な図書館の中
俺の周りに小さなざわめきが起きた・・・
周りの視線が俺の体に突き刺さるのを感じた
どこからともなくヒソヒソとささやきが漏れ始める
「外・・・出れる?」
そう小声で言うと加藤は席を立ち歩き始める
つられるように席を立つ俺・・・
俺の目の前にある艶やかな加藤の黒髪・・・
歩くたびに小さく揺れるその黒髪に俺は心を奪われていた
でも、それとは別にもう一人の俺が言う
(なんで俺の名前を知ってる??・・・
なんで俺は声をかけられたんだ・・・どうして・・・)
建物を出て、中庭にあるベンチに腰をおろした
「・・・ねぇ、五十嵐君・・・
ちょっとお願いがあるんだけど・・・」
「・・・おねがい??」
俺がそう言うと、加藤は手にした資料を開き
小さな封筒を俺に差し出した
「・・・」
「開けてみて・・・」
嫌な胸騒ぎを覚えながら封を切る
10数枚の写真があった
そこに映っていたのは・・・俺・・・
(なんだ??この写真・・・・)
そしてその写真の中の俺の目線の先にいたのは
加藤・・・だった
どう見ても、写真の俺は加藤を追っていた・・・
(なんだこれ・・・)
「あなた、あたしのことストーカーしてたでしょ!!」
突如言われたその言葉に
俺は愕然とし、加藤を見つめた
「ばかな!!俺はそんなことしてない!!」
「じゃ、なによ!この写真!!
あなた、あたしのことばかり見てるじゃない!!
ずっと気になってたの。誰かに見られてるって・・・
今朝、あたしのアパートの郵便受けにこれが入ってたのよ
メッセージカードと一緒に!!」
「メッセージ・・・カード???」
「えぇ。・・気を付けて・・って」
「ばかな!!・・・」
うろたえた・・・どうしようもなく俺はうろたえた
こんなことしてない!
なにかの間違いだ!!・・・
うそだ!!こんなこと・・・
写真を持つ手が震えていた
何をどう言っていいのか分からず俺は口ごもっていた
頭の中が渦巻く
こんな写真・・・嘘だ!
「よぅ祐二!どうしたんだ?加藤と一緒で」
その声に俺は顔を上げた
「正弘・・・」
「どしたの?祐二。そんな顔して??」
つかつかと俺のところまで歩いてくると
「なんなの?加藤・・・」
そう言いながら俺の手から写真を取った
見る間に険しくなる正弘の顔・・・
「祐二・・・おまえ・・・」
「ちがう・・・ちがうんだ・・・
俺はストーカーなんかしてない・・・」
「ストーカーって・・・おまえ・・・」
「だから・・・ちがうって!!
そんなことしてない!・・・わかるだろ?正弘・・・」
「祐二・・・」
その日、俺は学期末の小論文の提出に向け
学内の図書館で調べ物をしていた
座席はほぼ満杯の状態・・・
だが、皆無言でペンを走らせている
ページをめくる音とペンを走らせる音
その音が、無言の図書館の中異様な響きを放っていた
「ここ・・いい?」
ふと声が聞こえた
「えぇ、いいで・・・す」
顔を上げた俺の前にいたのは、加藤だった
その瞬間、俺は頬が赤らむのを感じた
(加藤・・・)
席に座ると
資料を開くより先に加藤はこう口を開いた
「法学部の五十嵐祐二君・・・よね?
ちょっといいかしら・・・」
静寂な図書館の中
俺の周りに小さなざわめきが起きた・・・
周りの視線が俺の体に突き刺さるのを感じた
どこからともなくヒソヒソとささやきが漏れ始める
「外・・・出れる?」
そう小声で言うと加藤は席を立ち歩き始める
つられるように席を立つ俺・・・
俺の目の前にある艶やかな加藤の黒髪・・・
歩くたびに小さく揺れるその黒髪に俺は心を奪われていた
でも、それとは別にもう一人の俺が言う
(なんで俺の名前を知ってる??・・・
なんで俺は声をかけられたんだ・・・どうして・・・)
建物を出て、中庭にあるベンチに腰をおろした
「・・・ねぇ、五十嵐君・・・
ちょっとお願いがあるんだけど・・・」
「・・・おねがい??」
俺がそう言うと、加藤は手にした資料を開き
小さな封筒を俺に差し出した
「・・・」
「開けてみて・・・」
嫌な胸騒ぎを覚えながら封を切る
10数枚の写真があった
そこに映っていたのは・・・俺・・・
(なんだ??この写真・・・・)
そしてその写真の中の俺の目線の先にいたのは
加藤・・・だった
どう見ても、写真の俺は加藤を追っていた・・・
(なんだこれ・・・)
「あなた、あたしのことストーカーしてたでしょ!!」
突如言われたその言葉に
俺は愕然とし、加藤を見つめた
「ばかな!!俺はそんなことしてない!!」
「じゃ、なによ!この写真!!
あなた、あたしのことばかり見てるじゃない!!
ずっと気になってたの。誰かに見られてるって・・・
今朝、あたしのアパートの郵便受けにこれが入ってたのよ
メッセージカードと一緒に!!」
「メッセージ・・・カード???」
「えぇ。・・気を付けて・・って」
「ばかな!!・・・」
うろたえた・・・どうしようもなく俺はうろたえた
こんなことしてない!
なにかの間違いだ!!・・・
うそだ!!こんなこと・・・
写真を持つ手が震えていた
何をどう言っていいのか分からず俺は口ごもっていた
頭の中が渦巻く
こんな写真・・・嘘だ!
「よぅ祐二!どうしたんだ?加藤と一緒で」
その声に俺は顔を上げた
「正弘・・・」
「どしたの?祐二。そんな顔して??」
つかつかと俺のところまで歩いてくると
「なんなの?加藤・・・」
そう言いながら俺の手から写真を取った
見る間に険しくなる正弘の顔・・・
「祐二・・・おまえ・・・」
「ちがう・・・ちがうんだ・・・
俺はストーカーなんかしてない・・・」
「ストーカーって・・・おまえ・・・」
「だから・・・ちがうって!!
そんなことしてない!・・・わかるだろ?正弘・・・」
「祐二・・・」