第1話【始(はじまり)】
(いい加減、この人の多さにはうんざりする・・・)
日曜の午後、俺は街を歩きながら一人そう思っていた。
(ま、いいか・・・それもあと少しだ・・・)
東京という街へ出てきて丸2年が過ぎる
地方出身の俺にとって、東京はあこがれの街だった
TVで見る華やかなファッションとお洒落な男と女たち
(いつか、あの街で暮らしてみたい)
そう思いながら、高校の3年間を過ごした。
2年になると、進学か就職か選択させられる
俺の家は中の中程度・・・
おやじもおふくろも俺を進学させようと考えていたようだ
・・・
俺は、その考えに乗った。
・・・
メジャーではないが、それなりに知名度のある大学を受験し
無事合格。
田舎の平凡な生活に飽き飽きしていた俺にとって
それは、まるで夢のような出来事だった・・・
合格発表後間もなく、俺は住居を探しに東京へ出た。
俺にしては精一杯お洒落をしたつもりだったが
いざ、東京の街の中へ入ると
自分の姿に恥ずかしさを覚えた・・・
(カッペくせぇ・・・)
群衆の中、俺一人だけが浮き上がっているような気がした
(おい、見ろよあいつ・・・田舎もんだぜ・・・)
(なにあれ?どんくさい・・・)
誰しもが、そう言って嘲笑っているように思え
山手線の中、俺はひたすら俯きながら学校へ向かった・・・
駅を降り、頭の中にある地図を思い出しながら歩く
学校までの地図を必死になって覚えてきた
周りをきょろきょろしながら歩くのが恥ずかしかったから・・・
田舎もんと思われたくなかったから・・・
・・・
でも
ジーンズのポケットには
折りたたんだ地図を忍ばせてきた
・・・
さも、都会慣れした感じで・・・
でも心の中はドキドキしながら雑踏の中を歩いた
やがて、学校案内のパンフレットに載っていた建物が
目に入り、内心ホッとした気持ちになったのを覚えている
正門を入り、学務課のある建物へ向かう
すれ違う男女の群れ・・・みなオシャレな服を着ていた
・・・少なくとも、当時の俺にはそう見えた・・・
ひんやりとした廊下を歩き、学務課のカウンターへ
「あの~、すいませ・・・」
「あ、不動産屋ね。ほら、そこのケースの中に資料があるから
好きなやつ選んで」
パソコンに顔を向けたまま、言い放つその姿に
俺は、一瞬だがいらつきを覚えた・・・
「あの~」
俺の後ろで声が聞こえた
振り向くと、そこにいたのは・・・正弘だった
今思えば
あのとき正弘と出会っていなかったら
俺はどうなっていたのか・・・
それから数日後
俺は学校から駅2つ先の地にアパートを決め、引っ越しをした。
今から2年前の桜が開花宣言を出した日のこと・・・
(いい加減、この人の多さにはうんざりする・・・)
日曜の午後、俺は街を歩きながら一人そう思っていた。
(ま、いいか・・・それもあと少しだ・・・)
東京という街へ出てきて丸2年が過ぎる
地方出身の俺にとって、東京はあこがれの街だった
TVで見る華やかなファッションとお洒落な男と女たち
(いつか、あの街で暮らしてみたい)
そう思いながら、高校の3年間を過ごした。
2年になると、進学か就職か選択させられる
俺の家は中の中程度・・・
おやじもおふくろも俺を進学させようと考えていたようだ
・・・
俺は、その考えに乗った。
・・・
メジャーではないが、それなりに知名度のある大学を受験し
無事合格。
田舎の平凡な生活に飽き飽きしていた俺にとって
それは、まるで夢のような出来事だった・・・
合格発表後間もなく、俺は住居を探しに東京へ出た。
俺にしては精一杯お洒落をしたつもりだったが
いざ、東京の街の中へ入ると
自分の姿に恥ずかしさを覚えた・・・
(カッペくせぇ・・・)
群衆の中、俺一人だけが浮き上がっているような気がした
(おい、見ろよあいつ・・・田舎もんだぜ・・・)
(なにあれ?どんくさい・・・)
誰しもが、そう言って嘲笑っているように思え
山手線の中、俺はひたすら俯きながら学校へ向かった・・・
駅を降り、頭の中にある地図を思い出しながら歩く
学校までの地図を必死になって覚えてきた
周りをきょろきょろしながら歩くのが恥ずかしかったから・・・
田舎もんと思われたくなかったから・・・
・・・
でも
ジーンズのポケットには
折りたたんだ地図を忍ばせてきた
・・・
さも、都会慣れした感じで・・・
でも心の中はドキドキしながら雑踏の中を歩いた
やがて、学校案内のパンフレットに載っていた建物が
目に入り、内心ホッとした気持ちになったのを覚えている
正門を入り、学務課のある建物へ向かう
すれ違う男女の群れ・・・みなオシャレな服を着ていた
・・・少なくとも、当時の俺にはそう見えた・・・
ひんやりとした廊下を歩き、学務課のカウンターへ
「あの~、すいませ・・・」
「あ、不動産屋ね。ほら、そこのケースの中に資料があるから
好きなやつ選んで」
パソコンに顔を向けたまま、言い放つその姿に
俺は、一瞬だがいらつきを覚えた・・・
「あの~」
俺の後ろで声が聞こえた
振り向くと、そこにいたのは・・・正弘だった
今思えば
あのとき正弘と出会っていなかったら
俺はどうなっていたのか・・・
それから数日後
俺は学校から駅2つ先の地にアパートを決め、引っ越しをした。
今から2年前の桜が開花宣言を出した日のこと・・・