その子は、道の真ん中にぽつんと立っていた
(・・・ちょうどいい、あの子に聞いてみるか・・・)
山の頂上へ行く途中、どうやらおれは道を間違えたらしい
幾度となく通った道だったんだが・・・
「にいちゃん!道に迷ったのか?」
その子は明るい声で俺に話しかけてきた
「あぁ、ちょっとな。」
「ふ~ん。にいちゃん、どこまで行くんだ?」
「山頂まで・・・」
「そっかぁ、じゃ、おいらが案内してやる」
「案内って・・・お前・・・わかるのか?」
「うん。おいらの家は山頂まで行く道の途中だからね」
「途中の家?・・・」
その子は足早に先を歩き始める
(家って・・・そんなのあったか?・・・)
今まで何回となく朝焼けの風景を撮るのに歩いた山頂までの道のり・・・
だが、家なんかなかった・・・はず・・・
「・・・なぁ、この山にこんな道あったか?」
「・・・にいちゃんは知らないだろうけど
時々出るんだ・・・」
「出る?・・・って、なにが?」
「・・・」
「なぁ、何が出るんだよ」
「妖虫・・・」
「よう・・・ちゅう・・・?」
「あぁ、ふつうは出ないんだけどね
食糧が少なくなったりするとときどき・・・ね」
「なんだ?それ・・・それとこの道と何の関係があんだよ?」
「にいちゃん・・・無駄口叩いてないでちゃんと付いてきなよ
あ”・・・それと言っておくね。後ろを振り返っちゃダメだよ!」
「ぁん??」
(・・・なんだ?このガキ・・・さっきから何言ってんだか・・・)
そのガキ・・・ぃや、その子はスタスタと歩を早める
おれはその速さに少々辟易しながらもなんとか離れずについて行った
・・・
どれくらい歩いただろうか
気がついたら、いつもの見慣れた道に出ていた・・・
「・・・もういいかな」
そう言うと、その子は足を止めた
「にいちゃん。ここから先はわかるでしょ。
もう大丈夫だよ。」
「ハァハァ・・・って・・・ハァハァ・・おまえ
・・・んぐ、なんだって・・・そんなに早く・・・ハァ歩けるんだ・・・」
「おいらの案内はここまで。ほら、先に行って」
「・・・ちょっと・・・おまえ・・・」
その子は俺の脇をすり抜け、もと来た道に向かって歩き始めた
(・・・なんだ、こいつ・・・ハァハァ・・・)
「・・・なぁ、お前の家・・・」
・・・
振り返ると、その子の姿はなかった
・・・
(・・・??え・・・)
おれの目に映ったのは、いつもの一本道だった・・・
(なに?・・・なんなんだ、これ??)
そのとき
声が聞こえた
「にいちゃん、この時期はあんまりここに来ない方がいいよ
・・・山にはね、いろいろいるんだ
気を抜くと・・・獲り殺されるからね・・・」
その声は、耳で聞いたというより
おれの頭の中にダイレクトに響いてきた
「おまえ・・・だれ?・・・」
「・・・木霊・・・」
「こだま?・・・」
「じゃね、にいちゃん」
その声は静かにフェードアウトしていった・・・
冬が終わり、春を迎えるころの話
(・・・ちょうどいい、あの子に聞いてみるか・・・)
山の頂上へ行く途中、どうやらおれは道を間違えたらしい
幾度となく通った道だったんだが・・・
「にいちゃん!道に迷ったのか?」
その子は明るい声で俺に話しかけてきた
「あぁ、ちょっとな。」
「ふ~ん。にいちゃん、どこまで行くんだ?」
「山頂まで・・・」
「そっかぁ、じゃ、おいらが案内してやる」
「案内って・・・お前・・・わかるのか?」
「うん。おいらの家は山頂まで行く道の途中だからね」
「途中の家?・・・」
その子は足早に先を歩き始める
(家って・・・そんなのあったか?・・・)
今まで何回となく朝焼けの風景を撮るのに歩いた山頂までの道のり・・・
だが、家なんかなかった・・・はず・・・
「・・・なぁ、この山にこんな道あったか?」
「・・・にいちゃんは知らないだろうけど
時々出るんだ・・・」
「出る?・・・って、なにが?」
「・・・」
「なぁ、何が出るんだよ」
「妖虫・・・」
「よう・・・ちゅう・・・?」
「あぁ、ふつうは出ないんだけどね
食糧が少なくなったりするとときどき・・・ね」
「なんだ?それ・・・それとこの道と何の関係があんだよ?」
「にいちゃん・・・無駄口叩いてないでちゃんと付いてきなよ
あ”・・・それと言っておくね。後ろを振り返っちゃダメだよ!」
「ぁん??」
(・・・なんだ?このガキ・・・さっきから何言ってんだか・・・)
そのガキ・・・ぃや、その子はスタスタと歩を早める
おれはその速さに少々辟易しながらもなんとか離れずについて行った
・・・
どれくらい歩いただろうか
気がついたら、いつもの見慣れた道に出ていた・・・
「・・・もういいかな」
そう言うと、その子は足を止めた
「にいちゃん。ここから先はわかるでしょ。
もう大丈夫だよ。」
「ハァハァ・・・って・・・ハァハァ・・おまえ
・・・んぐ、なんだって・・・そんなに早く・・・ハァ歩けるんだ・・・」
「おいらの案内はここまで。ほら、先に行って」
「・・・ちょっと・・・おまえ・・・」
その子は俺の脇をすり抜け、もと来た道に向かって歩き始めた
(・・・なんだ、こいつ・・・ハァハァ・・・)
「・・・なぁ、お前の家・・・」
・・・
振り返ると、その子の姿はなかった
・・・
(・・・??え・・・)
おれの目に映ったのは、いつもの一本道だった・・・
(なに?・・・なんなんだ、これ??)
そのとき
声が聞こえた
「にいちゃん、この時期はあんまりここに来ない方がいいよ
・・・山にはね、いろいろいるんだ
気を抜くと・・・獲り殺されるからね・・・」
その声は、耳で聞いたというより
おれの頭の中にダイレクトに響いてきた
「おまえ・・・だれ?・・・」
「・・・木霊・・・」
「こだま?・・・」
「じゃね、にいちゃん」
その声は静かにフェードアウトしていった・・・
冬が終わり、春を迎えるころの話