・episode-4・  Pm13:00


俺が寝ていたのは、誰の部屋なんだ・・・
落ち着け、よく考えろ・・・
昨日俺は朝会社に・・・あれ?
・・・俺は昨日・・・
・・・
なんで思い出せない
・・・どうして・・・


そのとき取調室の扉を開け
誰かが入ってきた


「警部・・・」


さっきの刑事となにやら耳打ちをしている
ぼんやりとその様子を見ていた・・・
話を終えたのか
その男は部屋を出ようと扉に手をかけた
俺を見たそいつの口元がゆがんでいた・・・

(笑ったのか?)・・・


「・・・釈放だ・・・
あまり気が進まんがな・・・」


俺にそう告げると
刑事は部屋を出て行った


ふら付いた足取りで俺は警察署を出た
おそらく誰か尾行は付くのだろう・・・


(さて・・・どうするか・・・
とは言え、どこへ行く当ても無い・・・)


ブルゾンのポケットに手を突っ込み携帯を探す
ダイヤルした・・・

「もしもし・・・」

ツーツーツー・・・


(・・・幸雄・・・)


駅までの通りを歩き
ロータリーに出る
駅前のビルの壁にある大型のビジョンがニュースを流していた

『昨夜12:30頃、東京都豊島区高田の路地で起こった
身元不明の変死体の続報をお伝えします。
警察の発表によると、殺害された男性の身元は未だもって不明・・・
目撃者の通報による犯人と思われる、杉本和宏 27歳に関しても
現在のところ捜査中であるとのことです。
尚、今月に入り、日本国内で同様の殺人事件が5件起きており
事態を重く見た警視庁は
本日Pm12:00において、池袋署に捜査本部を移動し
捜査員の増員と共に捜査範囲の拡大と
容疑者:杉本和宏の写真の公開に
踏み切りました
また、新たな情報が入り次第お伝えいたします』


アナウンサーの声が流れている間、そのモニターには
俺の顔が大写しにされていた・・・

(・・・まったく・・・
まぁ、今の俺の顔はまったくの別人だからな
誰も気づかないだろうけど・・・)


だが・・・どうして昨日の記憶が無いんだ
どうして・・・


携帯が鳴った
幸雄の名前が出ていた
耳に当てた


「もしもし・・・幸雄?
幸雄なんだろ?・・・・なぁ・・・」


電話は切れた・・・


「今、誰かから電話があったようです・・・
はい・・・いえ、すぐ切れたようですが・・・
まぁ、それ以外に
いまのところ大きな動きはありませんね
予定通りってところですか・・・え?
はい、わかりました・・・・
えぇ・・そうですね。もう少し様子を見て行動します
はい、わかりました
なにか動きがあったらまた連絡します・・・」



(頼むぜ・・・今のところ順調に動いてるのは
お前だけなんだからな・・・和宏・・・)