・episode-3・  Pm12:00

刑事は、ブラインドの羽を少し広げ
窓の外を観ながら話し始めた・・・


「昨日の夜、11:30・・・
東京都豊島区高田で、変死体が発見された
目白駅と学習院大学との間の坂道でね・・・」


「え“!?・・・・そこは・・・」


「そう。君が本人かは別として
杉本和宏の勤める会社へ向う道だよ・・・
・・・・・
それは、石塀に寄りかかるように立っていた
俯いて・・・
発見者は、なんとなく違和感を感じ、声をかけたそうだ
返事をしなかったので、寝ているのかと肩に手を掛けた
体が崩れ落ち顔が上がった・・・
そこには顔は無かった・・・
めちゃくちゃに潰されていた
驚いた発見者は駅へ戻り駅員に通報
そこから警察へ連絡・・・
・・・・・
まぁ、こんなところだ・・・」


「・・・それがなんで、俺なんだ・・・」


「・・・その変死体が握り締めていたもの・・・
1枚の写真。
発見者は、その写真を見て驚いたそうだ・・・
・・・・・
自分の友人の写真だったから・・・」


「・・・そ・・・それって・・・」


「そう。・・・そこに写っていたのは
杉本和宏・・・
彼はなぜ写真を握り締めていたのか
考えていたそうだ
我々が行くまで・・・
その話を聞き、我々は彼と一緒に
会社に向った
守衛は・・・殺されていたよ
社内の捜査を始めると共に
私は、監視カメラの映像を確認した・・・
7月19日 PM23:20
監視カメラの映像に杉本の姿があった
守衛の首を絞めている杉本の姿がね・・・
我々はすぐさま非常線を張った
彼が杉本との待ち合わせに呼び出された時間が
PM23:20・・・
彼が変死体を発見したのが23:30・・・
杉本はまだ近くに居る・・・
私はそう考えたよ
だが・・・・杉本は見つからなかった・・・
翌朝AM9:45
警察に匿名の電話があった
杉本の居場所を伝える電話がね
電話は居場所の住所を伝えると
ブツリと切れたらしい
我々はその住所に向った
そして・・・・
君がその部屋に居た・・・」


そこまで話すと刑事は俺のほうへ顔を向けた


「なぁ・・・いい加減、ほんとのことを話してくれないかね
君はなぜあの部屋に居たんだ?・・・」


「・・・刑事さん・・・
その発見者って・・・」


「・・・もし君が杉本本人なら
君の知ってる人物だよ・・・」


「・・・早坂・・・」


「・・・そう・・・早坂幸雄・・・
君はなぜその名を知っている?」


刑事は、俺の顔を覗き込むように言った・・・


俺の頭の中はグチャグチャだった
俺には幸雄を呼び出した記憶はない・・・
昨日の夜会社にも行っていない
なぜ幸雄はそんなことを言ったんだ・・・
なぜ幸雄は朝、俺のところへ電話をしてきたんだ・・・

・・・・・

そこまで考えてふと気づいた・・・
あの部屋・・・
俺の部屋じゃない
似てるけど・・・めっちゃ似てるけど
俺の部屋じゃない
・・・俺はなんであの部屋に居たんだ・・・

・・・・・

頭の中の渦が拡大していくのを感じた・・・