・side-2・ アルカディア
我が祖母なるガイアは、世界が無より生まれ出でるときには
すでに創造母神として存在していた
祖母は、処女受胎により『天空神ウラノス』と『海洋神ポントス』を産んだ
祖母はウラノスと交わり、ヘカトンケイル・キュクロプス・ティタン十二神・・・
そして我が父、クロノスを産み落とした
ヘカトンケイルとキュクプロスのその様相は、あまりにも醜く
その巨体と怪力は想像の域を超えていた
祖父ウラノスは恐れおののき、二人を冥界タルタロスへ封じ込んだ
今思えば、我が子であるがゆえにその醜さを嘆いた挙句なのかもしれない・・・
その行為に、祖母ガイアは怒り狂い
我が父クロノスに斧を渡し、ウラノスの男性器を切り落とさせたと言う
そして、その切り落とされた男性器から漏れ出した精液が海へ落ち
白い泡となり、最高の美神と称されるアフロディーテが産まれた・・・
そして、流れ落ちた血により受胎した祖母は、巨人族ギガスをも産み落とした・・・
そう、私は聞かされた
祖母は我が子ウラノスと交わり子を設け
父となったウラノスは我が子を冥界へ落とす・・・
そう、昨今で言う「近親相姦」と「幼児虐待」の根源・・・
世界は生まれ出ずる時より汚れていたのだ!!
私は、父クロノスと母である女神レアとの間に産まれた6番目の子だ
私より先に産まれた3人の姉と2人の兄は、父クロノスに飲み込まれた
私は母の機知でなんとか逃げ仰せることができた
密かに育てられ成長した私は、父クロノスと戦い飲み込まれていた
姉と兄たちを救い出した
(彼らはその後、私を含め「オリュンポスの神々」と呼ばれることになる)
私は父と十年に及ぶ神々の戦争(ティタノマキア)を行いそして・・・勝利した
父が率いたティタン神族を、私は冥界へ幽閉した
祖母は私のその行為に怒り、子であるギガスをそそのかし
私たちへ差し向けた・・・またしても戦争が起こる(ギガントマキア)・・・
だが、その戦いにおいてもヘラクレスやアテネらオリュンポスの神々の活躍により
私は勝利した
その勝利において、私ゼウスは「至高神」・「全能の神」となり
創世母神である祖母ガイアを超えた・・・
そう、世界は人類が生まれ出でる遥か以前より
穢れ戦いに明け暮れていたのだ・・・
「汚れた世界は嫌だ」・・・私はその想いで世界を改めて創世し直した
穢れきった世界を作り直すのに5日かかった
私は世界に、「天と地」・「光と闇」・「昼と夜」・「海と地」・「太陽と月」そして
植物・魚・鳥・獣を嵌め込んだ
私は、その世界に「理想郷(アルカディア)」としての願いを込めた
その世界を創り終えたとき、「管理する者」の必要性を感じた
そして、6日目に一対の「人間」をその世界へ嵌め込んだ
私は今になって思う・・・
そもそも「人間」という「管理する者」を作り出したことが
間違いの源だったのではないか・・・・・と
・・・・・