Side-15

あれからどれくらい経ったのだろうか・・・

暗闇の中、僕は目を覚ました

あのあと僕たちは飛行中に対空射撃を食らい、どこともわからない森の中に突っ込んだ

その衝撃で、斉藤は死んだ・・・

どれくらい気を失っていたのかわからない

気がついたとき、僕は木の枝にぶら下がっていた・・・

やっとの思いで地面に降り当ても無く歩き出した

鳥の声さえも聞こえない・・・うつろな頭で歩いていた

痛みさえも感じなかった

自分の足音だけが聞こえた。夢を見ているのか?・・・そう思いながらも歩いた

何かに躓き転んだ拍子に、何かの穴に落ちた

僕はまた、そこで気を失った

・・・・・

防御スーツはびりびりに破れ体のあちこちから血が流れている

もう、何もわからない・・・

対空射撃を食らったということは、人が居たのか?センサー感知のオート射撃なのか

・・・一段と体の熱が熱く感じる

やはり感染したのだろう・・・世界はどうなってしまったのか・・・

僕には知る術はない

思考能力もだんだん落ちているのを感じる

体中の力が消えていく

時間の問題だろう・・・

誰かは生き残っているとは思うが・・・願わくば、僕の屍を見つけてもらいたいなぁ

・・・・・

もう・・・書けない・・・・・や

・・・・・

西暦2026年 8月15日

世界は沈黙した。地表部分は全て廃土と化し、地表の生命は絶滅した

大気は放射能で覆われ、太陽の光を遮っていた

逃げ場を失った熱は高温の一途を辿り、灼熱の廃土と化した

宇宙に残された数名の人類は、絶望感に打ちひしがれた

海水は蒸発し放射能交じりの雨雲から滝のような雨が降り続いた

空と地表の温度差からは想像も出来ないような風が湧き上がり

あらゆるものを吹き飛ばした

海は荒れ両極の氷は全て溶け、海面が一気に30mほど盛り上がる

荒れた海は地表を飲み干し全てを流し去る

西暦2030年

地球を覆いつくしていた放射能は消えた

地表は8割方水没していたが、わずかに残った部分には

新たな植物が誕生していた・・・

海にはプランクトンが発生し始める

西暦2130年

海と陸それぞれに新たな生命が誕生していた

「地球は、こんなに青かったのか・・・」

宇宙ステーションの窓に顔を付けていたアシモはつぶやいた

ゆっくりと窓を離れると、ぎこちない足取りで

睡眠カプセルへ向った

冷却を解除させ目覚めるのを待った

やがてカプセルのフードが開き目覚めた

「アシモ・・・蘇ったのか?」

『はい、船長・・・先ほど大気調査しましたが、人類の生存は可能な状態です』

「そうか・・・アシモ・・・おつかれさま」

『いえ、私はアンドロイドですから疲れません』

・・・・・

西暦2130年 7月4日

人類は、宇宙から舞い戻った

地表に降り立った人類は、眩しそうに空を見上げた・・・