【夜明け】


だんだんと空が明るんでくる

毎日のことだけど

この瞬間を僕は意外と楽しみにしてる

この瞬間をもう何年見ているだろうか

雨の日も風の日も・・・

遠くを走る船の姿

もうまもなく

それも見ることが出来なくなる

ちょっと寂しいね

長かったなぁ

最初は「なんでこんなところに・・・」

って、思ってたけど

『住めば都』って、昔の人は

よく言ったものだ

近所の人たちの笑い声が僕は好きだ

季節によって香る

風の匂いが僕は好きだ

でも・・・

もうそれも感じることが出来なくなる

仕方ないか

次の世代に託そう・・・


もっと、この夜明けの瞬間を見ていたかったなぁ

・・・

さて、疲れた

最後の眠りに入るか・・・


おやすみ


☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


「ねぇ、お父さん。この灯台壊すの?」

「あぁ、もう古くてね

新しいのに作りかえるそうだよ」

「ふ~ん、なんか寂しいね」

「そうだねぇ・・・」


・・・・・


「さて・・・今日の業務は終了

引継ぎをするか」

「所長・・・なんか寂しいですね」

「そうだな。よく耐えてくれたよ。こいつ」

「そうですね・・・」

「・・・あとは、君と新しい灯台に任せるよ。」

「はい。・・・」


・・・・・


春の日差しの中

ひとつの世代の幕が閉じた


次の世代に希望を託して


・・・・・