眠りから覚め、時計を見た
すでに8時を回っている
傍らでは絵里が安らかな寝息を立てている
僕はその唇にキスをし頬を撫でた
《・・・絵里・・・好きだよ・・》
その寝顔を見ながら僕はまた、眠りに付いた
・・・・・
チェックアウトをし車のハンドルを握る絵里
駅近くの駐車場へ止め、駅まで二人で歩く
手をつないで・・・
足取りはゆっくりとし、無言で歩く二人
時折顔を見合わせ微笑みあう
否応なしに訪れる別れ
受け入れるだけの繋がりは二人の中に既に存在していた
改札口を入りホームへ向かう
東京行きの新幹線ホーム
穏やかな日曜の昼時
手をつなぎ互いの目を見つめあう二人
言葉はなかった
でも、二人の間には確実に「愛」が存在していた
互いの額をあわせ温もりを感じる
新幹線が滑り込む
僕は絵里の唇にキスをし抱きしめた
絵里の両腕も僕を包み込む
・・・・・
アナウンスが流れる
唇を離し、扉へ歩く
デッキに上がる僕
ホームで小さく手を振る絵里
「絵里・・また来る」
「うん・・・」
頷く絵里の目に小さく涙を見たのは
僕の錯覚なのか・・・
ドアが閉まり、新幹線は動き出す
絵里の姿が見えなくなるまで時間はかからなかった
席へ向かう僕
絵里と過ごした時間を思い浮かべる
ポケットで携帯が震える
「メール・・・」
開くと、それは絵里からだった
・・・
『いつまでも待ってる
』
・・・
「うん・・・必ず迎えに行く」
小さく言うと僕は窓の外へ目をやった
一筋の涙が頬を伝わるのを感じた・・・
「絵里」編・・・・・完