俺がやつに届く一瞬早く、やつの尾が俺の身体を貫く。。。

俺の身体が空中で止まった


「なぁ、ヘルシング。。。お前は、俺に勝てない。。」

尾を伝わって流れ落ちる俺の血・・・

俺はやつの翼を鷲掴みにし、力をこめた

やつの両腕が俺の脇腹に突き刺さる

その衝撃に力が抜ける・・・


地面に叩きつけられる俺。。。

口から吹き出す血。。。

意識が遠くなる・・・まだだ、まだ戦える

俺の本能が言う


「どうした?。。ヘルシング、もう終わりか?」

「・・ぐ・・・げほ・・まだ・・・・だ・・・」

「ほぉ~、まだ・・か」

背中に激痛が走る

やつの尾が俺の背中に突き刺さった

・・・・

「・・・だから言ったろ?お前にはムリだって・・・」

「・・て・・・てめぇ・・・」

「ヘルシング・・・お前自分が正当な血を引いてると思ってるだろ?

まぁ、そう聞かされてるのかもしれんが・・・

だがな、違うんだな~それが

所詮お前は分家の血なんだよ」


ジーザス(これ以降キリストと呼ぶ)、キリストは「ゴルゴダの丘」で磔にされた。。。

キリスト教の中ではそう伝えられている

衆人の見守る中キリストは息絶えた。。。

だが、そのときすでにキリストの中には不死の因子が生まれていた

数々の生き血を吸う行為の中、遺伝子が変化していたのだ

磔にされたその夜、キリストは蘇った

その証拠にキリスト教の教えに、磔にされた以降の書き記しはない

こうして、キリストは伝説となった

以降、彼の教えを受けた者たちが彼を神格化した

それが現在も受け継がれる「キリスト教」の始まりだった

彼は、その後どうしたのか・・・・

ヴァンパイアとなり新たな恐怖、いや、彼自身の本能で動き始めた

性交を重ね新たな子孫が生まれる

彼はその間も身を隠しその動きを見つめた

中世に入り、数々の子の中から因子の強い子を見出した

それが、ヘルシングの祖先。。。

だが、血そのものは薄く、それでもその血を正統者としての流れが生まれた

ただ、因子が強かっただけの血を。。。


キリストは死んではいなかった

それぞれの血の動きの中で、隔世遺伝的に濃い血が出る

その血を彼は取り入れていた


月が赤く染まるとき、それはキリストが新たなる血を受け入れる時


・・・・・


俺の目に俺の腕を食らうやつの横顔が映っていた

痛みは感じない。。。


失われていく意識の中、俺の目は空を見つめていた

そこには、赤く染まる月。。。



俺の目にやつの牙が映った。。。。。


・・・・・


グチャグチャと肉を頬張るジーザス・・・それをじっと見つめる赤く染まる月。。。。。


再び血の輪廻が始まる