「なんだ。恋人なら祝ってやろって思ったのにィ」
荒い呼吸を繰り返すように上下する倒れる男の子のはだけたお尻をツンツンとつつくと、まだ余韻が残ってるのか「ぁんっ」と甘い声と同時にビクンと跳ね上がった。
セフレと言い張りながら上着を着た千秋は相手の上着をパラリと背中に被せてあげている。意外に優しい面も持っている。
ルームメイトの千秋とオレは似た者同士というヤツで、お互い部屋に連れ込んではヤっちゃったりしてる。
寧ろ見せ付けてやる的な?
知らずとどっちがどれだれの男を喰うかの勝負をしてる、そんな感覚だった。(つーか、オレだけだろォけど!)
闘争心を露わにするように腰に手をやり、仁王立ちで見下ろしながら千秋に訊ねる。
「で、…何人目?」
「は?」
「今週何人目?」
「聞いてどうすんだよ?クク、気になるのか?」
千秋は寝台に腰掛け優雅な所作で脚を組み、その上膝に肘を乗せる。
そして薄笑いを浮かべた挑発的な相貌と視線が合致すれば何故か癪に障り、額に青筋を浮き出させ千秋を上から睨み付ける。
毎週、毎週のやり取りだった。
気になると云えば気になるけど、そんな意味の気になるじゃない。
オレは一番じゃないと気にいらないのだ。何でも一番じゃないと。
言い換えれば千秋には負けたくない…みたいな?
「全然。千秋なんかに負ける気しねーしィ」
「あっそ。じゃあ最初から聞くなよ、敢えて云うなら二桁」
「は?」
話は終わりと言わんばかりに脚でオレの体を向こうへ押しやり、挙げ句の果てにはカーテンまで引かれてしまった。
ぽつんとオレの空間で立ち竦みそっと指を顎に添え考える人のポーズをとる。
アイツ…二桁とか言ったよな?
じゃあ確実に一週間の内の3日間は2人のヤツとヤったって事だよな?
「チッ、……負けねェし」
オレのボヤキはどうやらカーテンで仕切られたアッチ側まで届いていたらしく、クスリと皮肉を含んだ笑いが聞こえた。
続→