翌日、面接のためパリッとスーツに身を包む。
よそ行きの顔を作り、いざ勝負。

面接担当者でなく、ボス直々の面接…。
ありがたいことに、書類段階で気に入ってくれたらしい。

コネがないのを補うべく取得した資格も役立ってくれたようだ。



面接の流れから既婚であると話した。

「え!?新婚さんなんですか!?」


既婚だと採用されにくい。
婚姻歴欄がない履歴書を選んだ。



年齢的に未婚だと思っていたようだ。

「そっか、そっか。

あ、この履歴書、婚姻歴欄ないのね。」


やはり既婚だと厳しいか。



「立ち入ったことをお聞きしますが…

子どもの計画…は?

いやね、ここを辞めて行く子はたいてい妊娠して辞めていくんでね。」



一瞬怯んだ。

出来にくい事実を言おうか迷った。


事実を伝えた方が採用される可能性は高まるかもしれない。

とっさに打算的な計算をする。



でも、
口にしてしまうと本当にもう来てくれないような気がして…。

完全に望みが絶たれるような気がして…。





私が発した言葉は、

「今は、この世界で実務経験を積みたいと思っておりますので。」


これで採用に二の足を踏まれても構わない。



沈黙が続く…
じっとこちらを見る…



駄目か…。




「…なるほど。まだ若いものね。まぁ妊娠は仕方ないけどね!おめでたいことだから。

…うん!バリバリ働いてもらおうか!

うん、大学卒業後の社会人経験がないのに、しっかりしてる。

資格も取得されてるんですね。大丈夫でしょう!」


詳しい仕事内容や待遇なども説明され、
「10月1日からでいいかな。」
ということだった。


好感触かと思われた。




しかし…





「一応面接担当のスタッフにも、意見を聞いてからお返事させていただいてもいいかな。」
という言葉で面接は終了。


相手の本音を引き出す目的で、あえて和やかなムードの面接を行うと言われる“逆圧迫面接”を疑った。








しかし、私の疑いはすぐに晴れることになる。



後日かかって来た電話。
「9月末でね…中途半端で悪いけど、良かったら明日から来てもらえますか?」
とのこと。




無事就職が決まった☆


ワ━ヽ(*´Д`*)ノ━ィ!!!!