彼に勝ちそうな男とは…
有名大学卒業。
職業、弁護士。
容姿は…悪くはない (しかし好みではない)。
肩書きだけ見たら、
それはそれは立派。
…さすがに揺れた。
「恋愛と結婚は別」とすれば、
条件は合格だろう。
私は法学部だった。
つまり、先生(ゲスト講師)と生徒の関係。
最後の授業の後、いつものように質問に行った。
先生は、質問終了後、よく質問に行っていた生徒達数名を食事に誘ってくれた。
教授と食事に行くなんてことくらい普通にある。
何の疑いもなく、ご馳走になった。
食後、皆帰る中、私だけ図書館に向かった。
帰宅前に、図書館で勉強するのが日課になっていたから。
いつも通り勉強を終え、図書館を出たら、先生と会った。
「こんばんは。いつも図書館で勉強して関心だね。」
いつも…?
何で知ってるの?
少し疑問に感じながらも、話をしていたら
…まさかの告白。
彼氏いるし無理無理。
待てよ…
――恋愛と結婚は別…
冷静に計算した。
私の人生の中で、これ以上条件のいい男は現れないであろう…と。
私は、初めて保留にした。
結婚したい職業ランキング上位の弁護士だ。
まさか保留とさえ思わなかったのだろうか。
「“先生”ということ気にしてる?
今後授業でここに来ることはないから、もう先生と生徒じゃないよ。
付き合うことをためらってるなら、友達として二人で食事したりしてくれないか。」
それでもやはり即答は出来なかった。
男女の友情は、どちらかに恋愛感情があったら成立しないと思うから…。
明日、事務室に来る用事があるから、明日返事が欲しいとのこと。
明日、また図書館前でと約束して別れた。
さて、どうするか。
どうしなければならないか。
――恋愛と結婚は別…
何度も唱えた。
――愛する人とは、もう限界でしょ?
何度も言い聞かせた。
あの弁護士さんなら、穏やかな付き合いが出来るだろう。
――親の喜ぶ顔が見たい。
彼との付き合いに反対している母。このことを言うと大喜び。
母が喜ぶなら…。
子どもなら誰だって親の期待に応えたい気持ちを持っているだろう。
愛する彼に電話してみる…
精一杯の念力を飛ばしながら…
お願い…出て…
「…おかけになった電話は、電波の届かない所にあるか、電源が入っていないため、かかりません。
おかけになった電話は、電波の届かない所にあるか、電源が入っていないため、かかりません。
おかけになった電話は電波の届か…」
聞きなれた冷ややかな音声。
妙にハキハキしていて、淡々と事実を伝える。
「…あなたは愛されておりません」
とでも言っているよう。
私は…
まずは友達として
という返事に決めた。
そう決めなければならないんだと言い聞かせた。
有名大学卒業。
職業、弁護士。
容姿は…悪くはない (しかし好みではない)。
肩書きだけ見たら、
それはそれは立派。
…さすがに揺れた。
「恋愛と結婚は別」とすれば、
条件は合格だろう。
私は法学部だった。
つまり、先生(ゲスト講師)と生徒の関係。
最後の授業の後、いつものように質問に行った。
先生は、質問終了後、よく質問に行っていた生徒達数名を食事に誘ってくれた。
教授と食事に行くなんてことくらい普通にある。
何の疑いもなく、ご馳走になった。
食後、皆帰る中、私だけ図書館に向かった。
帰宅前に、図書館で勉強するのが日課になっていたから。
いつも通り勉強を終え、図書館を出たら、先生と会った。
「こんばんは。いつも図書館で勉強して関心だね。」
いつも…?
何で知ってるの?
少し疑問に感じながらも、話をしていたら
…まさかの告白。
彼氏いるし無理無理。
待てよ…
――恋愛と結婚は別…
冷静に計算した。
私の人生の中で、これ以上条件のいい男は現れないであろう…と。
私は、初めて保留にした。
結婚したい職業ランキング上位の弁護士だ。
まさか保留とさえ思わなかったのだろうか。
「“先生”ということ気にしてる?
今後授業でここに来ることはないから、もう先生と生徒じゃないよ。
付き合うことをためらってるなら、友達として二人で食事したりしてくれないか。」
それでもやはり即答は出来なかった。
男女の友情は、どちらかに恋愛感情があったら成立しないと思うから…。
明日、事務室に来る用事があるから、明日返事が欲しいとのこと。
明日、また図書館前でと約束して別れた。
さて、どうするか。
どうしなければならないか。
――恋愛と結婚は別…
何度も唱えた。
――愛する人とは、もう限界でしょ?
何度も言い聞かせた。
あの弁護士さんなら、穏やかな付き合いが出来るだろう。
――親の喜ぶ顔が見たい。
彼との付き合いに反対している母。このことを言うと大喜び。
母が喜ぶなら…。
子どもなら誰だって親の期待に応えたい気持ちを持っているだろう。
愛する彼に電話してみる…
精一杯の念力を飛ばしながら…
お願い…出て…
「…おかけになった電話は、電波の届かない所にあるか、電源が入っていないため、かかりません。
おかけになった電話は、電波の届かない所にあるか、電源が入っていないため、かかりません。
おかけになった電話は電波の届か…」
聞きなれた冷ややかな音声。
妙にハキハキしていて、淡々と事実を伝える。
「…あなたは愛されておりません」
とでも言っているよう。
私は…
まずは友達として
という返事に決めた。
そう決めなければならないんだと言い聞かせた。