呼ばれるまで適当に時間を潰す。

案外早く呼ばれ、二人で診察室に入った。

おたふく風邪で、高熱から睾丸炎になった過去を話すと、淡々と何やら説明がなされる。

採取して調べてみるとのこと。


分かっていた。

男にとって非常に屈辱的な検査であると有名だ。

夫一人、部屋に誘導され、私は待合室で待つことになった。

砂を噛むような気持ちで祈るように待っていた。

祈るくらいしか私には出来ない。


…夫が帰って来た。

採取後30分程で結果は分かるそうだ。

30分外に出て、気を紛らわせた。