病院探しは私がした。

本来、腰が重い夫だ。
面倒なことが大嫌いな夫だ。

自ら病院探しをする気配などなかった。

いつになっても進めない。

何件か調べて、いい病院を見つけた。

幸い、家から徒歩5分圏内。灯台もと暗し。

検査の日は、次の夫の仕事が休みの日にしようと話し合った。


いよいよ検査の日…


夫は…
朝起きれなかった。

いや、いつもは休日になるとダラダラして起きれない夫だけど

今日に限っては…
起きなかったのかもしれない。

受け付けは11時まで。

やっと起きたのは11時半。

やっぱり行きたくないんだよね…。

気持ちは分かるものの
苛立つ気持ちも芽生える。


「一応病院行ってみよう」

「えー?でも受け付け終わってない?」

「近いし、行くだけ行ってみよう。まだ病院自体は開いてるやろうし。」

多少の融通は利くだろう…そう思って連れて行った。

次の休みは来週。

今までの付き合いの中、夫は嫌なことは先延ばしにしたいタイプの人間だとよく分かっていた。

一度先延ばしを許すと、何回も先延ばしに出来ると判断する男だ。

夫に任せたデートはたいてい計画倒れになった。

本当に行きたいデートは私が計画する他なかった。

だから、心は痛むが、
機嫌を損ねないように…
プライドを傷つけないように…

私は夫を誘導したんだ。



結婚した5月には薄々分かっていた。
いや、本当はもっと前から…。

7月には嫌な予感がした。

8月には疑いは確信に近くなり、お義母さんにも促される。

ようやく病院に足を運んだ日。
もう9月になっていた。