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明日は7月7日。七夕。

「どうか叶えないでください」
そう願いながら短冊を書いた。

幼稚園の頃
短冊に願い事を書く行事があった。

「ケーキ屋さんになりたい」
「お菓子屋さんになりたい」
「オモチャ屋さんになりたい」

みんな思い思いに夢を書いた。

…商売にしたらケーキやお菓子やオモチャは売り物だから、好きに食べたり使ったり出来るわけじゃないよ…


私は…
筆が止まった


「専業主婦になりたい」
「結婚して幸せな家庭を築きたい」
幼い頃から思ってた

友達はこう言った
「変なの」

「そんなの短冊に書かなくても、みーんな出来るよ」


…デキナイヨ…


私の両親は離婚した

“幸せな結婚”なんて
みんなが出来るもんじゃない

反論するのもバカらしい
無難なお願い事を書こう

小さな女の子がなりたい職業で、まだみんなが書いてないもの…
友達とかぶるのは悪いと思った


「花屋さんになりたい」
私は短冊にこう書いた。

私は花が好きだ
でも花屋はキライ

自然に悠々と咲いている花が好きだから

狭いハコに閉じ込められた花を当時私は汚いと思った

だから
「どうか叶えないでください」

そう願いながら書いた


心配しなくていいよ
私は花屋さんにはなってない
もっとも、今は花屋さんも素敵だと思うのだけど

そして、22歳になった私は、今後も幸せが続くか分からないけど、“幸せな結婚”をしたよ

幸せの定義は人それぞれだから

周りの評価は気にしない

私には奇跡と思える出会いをして、奇跡的に二人は結ばれたよ

小さな私に言ってやりたい…


明日は七夕。
織姫さんと彦星さんもどうか結ばれますように…