さて今回は1993年にポニーキャニオンより発売されたGilles de Raisのメジャーデビューアルバム「Gilles de Rais」を紹介する。
「殺意」の頃のような過激な歌詞や曲ではなく、「BECAUSE」収録のCOSMOのようなイマジネーションパンク(今作の帯の煽りから引用)に方向転換している。

収録曲

1.Deーlight
2.BLACK LIST
3.SONG REMAINS
4."NEGARO"MANIA
5.REMEMBER
6.MELODY
7.LIE
8.お前の蛇になる
9.WILL
10.あやまちは6月の雨


DEE作曲のM1は「殺意」にも見られた約1分半の曲でDEEのベースが結構効いている。
M2はミドルテンポナンバーではあるが、「殺意」のような攻撃性が垣間見える。
この曲はギターソロのみならず全ての楽器、ボーカル、歌詞まで何から何までカッコイイ。
番組出演した際に演奏している動画がYouTubeにアップされているので確認されたし。
M3はJACK作詞作曲の曲でタイトルかLed  Zeppelinの「THE SONG REMAINS THE SAME」に似ていたり、SINNの冒頭のドラムが「Immigrant Song」に似ているので多少なりとも意識していると思われる。この曲はSINNのドラムが物凄くカッコイイと思ふ。アウトロのJACKのギターもエッジが効いている。
M4もJACK作曲でサビでのJOEの叫ぶような歌声が特徴的。タイトルは誇大妄想狂という意味のMEGAROMANIAの一部分を変えたJOEの造語と思われる。
M5もJACK作詞作曲で、SINNのツタツタ系のドラムが特徴的。サビではツーバスを使用したドラムに変わる。
M6はギターソロとギターソロで聴くことができるベースラインもカッコイイ曲。無限に繰り返されるようなサビの歌メロも結構好きだったりする。
M7はDEE作曲の超名曲。DEEの作曲らしくベースが効いている曲。冒頭の優しげなギターと包み込むかのようなベースから始まり、JOEが優しく歌い上げている。サビの歌メロと歌詞がとにかく好きな曲で、メジャー後のGilles de Raisの楽曲でも1番好きな曲である。DEEはこういったメロディアスな楽曲を作曲するのに非常に長けており曲数こそ少ないものの殆どが名曲ばかりである。
M8はシンプルなロックナンバーで、こちらもDEEのベースがかなり効いている。途中のギターソロでも聴こえるベースラインもカッコイイ。妖しげな雰囲気のメロディーも特徴的。
M9はスピード感溢れる疾走系の楽曲。「殺意」のようなメタルというよりかはパンクに近い印象を受ける。歌詞も「殺意」の頃と比べると非常に丸くなっており、寂しげな感じになっている。
M10はバラードナンバーで、雨の寂しげな感じと
鬱になりそうな苦しさを見事に表現している。
今作でもかなりメロディアスな楽曲で、ギターの美しいメロディーとJOEの掠れた歌声が傷付いた心と身体を包み込んだくれるような感覚になる。


レコード会社の影響によるものか、「殺意」の頃のようなGilles de Raisの激しさは減ったものの、メジャーによって洗練されたGilles de Raisの新たなサウンドを聴くことができる。
Gilles de Rais初心者にも非常に聴きやすいアルバムではないだろうか。

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★★★★★