さて、今回は1991年にリリースされたROSENFELDの「PIGS OF THE EMPIRE」をレビューしていく。
このアルバムはレア過ぎて某フリマアプリ等でも1万円ぐらいで売られているのをよく見かける。
吾輩は運良く3000円で売られているのを見つけたので即購入した。
内容はというと、ヨーロピアンスラッシュメタルである。ボーカルからギターから何から何まで耳元に鋭利なナイフを突き立てられるような感じのメタルである。
ちなみにジャケットに描かれている豚の皇帝が手に握っているのはAIONのHUMAN GRIEFMANのジャケットの悪魔(?)である。
Vo.のHISAYOSHIは以前AIONに所属、Gt.のHIROMIはROSENFELD脱退後THE DEAD P☆P STARSのメンバーになっているので前回紹介したAmphibianよりも知っている人は多いだろう。


収録曲
1.REINCARNATION OF THE EVIL
2.HOLOCAUST EVE
3.CAUGHT IN A TRAP
4.REST IN PEACE
5.PIGS OF THE EMPIRE
6.LEATHER
7.REVENGER
8.STORMTROOPERS
9.FIELD OF ROSES


荒野に吹き荒れる風と怪しい鐘の音のようなS.E.から切り裂くようなギターで始まるM1。
ツーバスのドコドコがエグい。そしてHISAYOSHIの剃刀のような声が入る。1曲目からとんでもない曲を持ってきたものだ。
ホロコーストという不吉なタイトルのM2はイントロから耳を切り裂くような鋭いリフが特徴的。
畳み掛けるようなリフとボーカルが素晴らしい。
この時期は結構ナチスを元にしたファッションだったり曲やバンドが多かったように思ふ。実際、ROSENFELDもハーケンクロイツの腕章つけたりしてるし。
イントロのドラムが印象的なM3。この曲はギターが は勿論だが、ドラムがかっこいい。
他の曲よりテンポが遅い分、寧ろ各パートの凄さが際立っている。
M4は箸休め的なバラードだが箸休めにはならないぐらい素晴らしい曲。他の曲では攻撃的で剃刀のような声のHISAYOSHIがこの曲では死を悲しみ嘆くかのような力強く且つ繊細さを持ち合わせた声で歌い上げている。ギターソロも泣ける。
タイトルがR.I.Pということはこの時期にメンバーの身内が亡くなったりしたのだろうか?
そして本アルバムのタイトル曲でもあるM5は腐敗した政治や、家畜の如く飼い慣らされる民衆について歌っている。
出だしからHISAYOSHIのシャウトから始まるこの曲は兎に角ギターがカッコイイ。途中ダウンしてアコギが入るのもまた良いかな。
M6はLEATHERというタイトルで意味は「革」だが、歌詞を見る限りそんな生易しい意味では無いだろう。恐らく「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスからとったものだろう。終盤がとんでもなく攻撃的になるので脳ミソがノックダウンされた感覚に陥る。
M7はサビの部分のギターとHIROMIのギターソロがカッコよすぎる曲。復讐したい奴がもし貴方にいたらこの曲を聴いて復讐した気分になろう。
M8のタイトルはSTAR WARSによく出てくる帝国軍の兵士ではなく、ナチスドイツの突撃兵のことを歌っているのではないだろうか。それであれば歌詞の途中の「遺書を書いた」という部分も辻褄が合う。「泣くことも叫ぶこともない」とい箇所も戦争で有無を言う事さえ出来ず、国の為に命を犠牲にした兵士達の凄惨さが浮かび上がる。
M9は冒頭の鳥のさえずりから一転してSNAKY DAKE GHOUL YOUICHIの悲しいギターソロから始まり鳥がさえずりをしていた平和で長閑な野原が地獄へと変わってゆく。「NO WAY TO RUN」のHISAYOSHIのシャウトと被せるかのように激しいリフがたまらない。
そして終盤のHIROMIとSNAKY DAKE GHOUL YOUICHIの2人のギターソロも良い。


9曲であるが、10曲以上の満足感が得られる名盤中の名盤。ROSENFELDはこの時のメンバーが黄金期だと吾輩は思うので、そのメンバーによってレコーディングされたこの音源は本当にかっこいい。
ROSENFELDのアルバムは基本的にプレミア価格がついているのでなかなか手に入れづらいが、5000円ぐらいで売られていたら、迷わず購入するべし。


お気に入り度(5段階)
★★★★★