琥珀色の明日~17~ | 堕悪魔の堕文屋《devil-69》

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「私達の問題ですのに、助けて頂いたうえにお怪我まで・・本当に申し訳ありませんでした」

ちゃう、ケガはドンくさかったからや。口には出さずにおいた。話の腰を折る気はないからな。

少しの静寂ののち彼女の声だけがゆっくりと時を遡っていく。



始まりは一年ほど前。

差出人のわからない一通の手紙から始まった。手紙の内容はたったの一文だけ。

《お前らを壊してやる》

ただの悪戯だと最初は思っていた。

オカシイと思い始めたのは手紙が届いてから三ヶ月過ぎた頃。父親の不可思議な自殺が起こってからだった。

いきなりの父親の死に呆然とする中、お葬式の香典袋に混じり届いた二通目の《手紙》。

手紙にはまた一文だけ。

《先ずは一つ壊したぞ》

彼女はそのまま警察へと駆け込み、助けを求めたらしい。

だが確証がなければ警察も動きはしない。

巡回を増やします、その言葉の対応だけでその日は帰宅するしかなかった。

彼女達は早くに母親を亡くしていた。だから父親が居なくなった今、まだ高校生の弟を自分が守らないといけないのだ。

その思いだけが震え出しそうな自分を奮い起こしていた。







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