琥珀色の明日~9~ | 堕悪魔の堕文屋《devil-69》

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つり銭をと叫ぶタクシーを後に、赤くランプの点滅する扉へ駆け込んだ。

救急窓口の側に立ち構えていた人物が俺に気付いた。その人物が会釈し、此方へと声をかけてくる。

「川瀬将隆さんですか?」

「もしかして先程の電話の・・・」

西脇さんは再び丁寧に自己紹介と身分証の提示をしてくれた。

正直、西脇さんが本物の警官などかはどうでもよかった。何より今知りたいのは、耳にした情報が正しいのかどうかの方だ。

「あの、和志は・・?」

話を遮り質問したことには嫌な顔せず優しく頷き、此方だと部屋へと先行してくれた。

扉横に警察官が立っている部屋が見える。

近づくごとに話し声が大きく響いてくる。合間に和志の声を確認できた。

「誰だってよかったんだよ!こんな俺にヤラレちまう間抜けな野郎が悪いんじゃねえかっ!?」

ホッと出来たのもつかの間、扉を開いた途端に俺の耳に入ってきた言葉にそちらを見た。

そこには椅子を蹴飛ばし叫ぶ少年と、血まみれの服を纏った和志の姿。

少年が手にしたパイプ椅子を和志へ振り上げた。

警察官が同席していたことも忘れ、その少年を俺は殴りつけていた!






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