元スパイとの偶然の再会

時間に追われるように過ぎ去った昨日

最後は帰りの電車でとある友人が同乗していた事に先に気づいた

その男は

もとスパイ…らしい

しかもあの大国の…

本も出しているから本当なのだろうが

言っていいのかはわからない

異国から戦後日本に渡ってきた彼はスパイとして日本の大地を踏んだ

役目を終えて日本という国を愛した彼は

母国をあとにし、日本の民として生きる事を選んだ

そして日本の未来について目を輝かせて話す彼は考えさせられるものがある

初めて会ったのは15年前くらいだろうか…

仕事で一緒になる度にいろんな話をしてくれて

飽きる事はなかった

缶ビールを片手の彼に

電車を降りる時に声をかけた

今度飲む事になった

信じていいのかわからない話をまたたくさん聞かせてもらえるのだろう

「かもしれない」という事を胸に

彼の話を聞くのが楽しみだ

彼の目に世の中はどう動いているのだろうか

新しい価値観に耳をかたむけてみよう

人の縁というのは実に面白いものだ