レッズサポーターの運命 | Beginning

レッズサポーターの運命

今日正社員の面接行ったのね。もうこれで20数社目。

今まで全部駄目だった。

それで、その日は車でしか行けないところだったんで、母親が仕事を休んで付き添ってくれた。
駐車場の社内に母を待たせて面接してもらった。

出てきたのは社長と人事課長。社長が絵に書いたような悪人顔でさ。

鼻くそほじりながら履歴書見て「職歴なし?あんたもう30だろ?」

「バイトなら経験あるっていったって職歴なしは職歴なしだろう?」
「うちでそんなの雇うわけないだろ?もう帰ってくれ。用はないだろ。終わり終わり」

車に戻ると母は面接には触れず、「また寒くなるんだって、今ラジオで行ってた」
「ごはん食べて帰ろうか」って。

無言のままうどん屋に入ってカツ丼食べた。

そしたら母親が「受かるといいねー」って言うからさ、俺答えに困っちゃってさ。

で、いろんな言い訳考えた末に正直に「いや、駄目だったんだ、今日も」といった。

母親、「また次も送っていくよ、カツ丼、あんまりおいしくなかったね」だってさ。
今頃になって泣けてきたよ。情けねーなー。就職してーなー。

今まで何やってたんだろうな、俺は。

レッズサポなんてやって貴重な20代を棒に振って、結局得るものは何もなかったんだ。


なんか作り話だろうが、せつない。

作り話でもかわいそうと思ってしまった