「海のふた」 よしもとばなな・著
何度読んだでしょう。
夏が近づくと読みたくなって引っ張りだします。
海辺の町の話ですが、沖縄やハワイではない「西伊豆」ってところが郷愁を誘います。
昔は賑やかだったのにさびれてしまった避暑地ほどせつないものはないですね。
時代の流れは良き変化だけではないけれど、希望を失いたくない今の私たちにも響く気がします。
恋の話ではありません。
どちらかというと友情の話。
そして、街や自然の描写は決してきれいで素敵なものばかりではないけれど、それでも日本を隅々まで愛したいなと思わせてくれる。
ときおり目に飛び込んでくる名嘉睦稔氏の版画が、「夏!」って色で迫ってきます。
主人公の二人の女の子はかき氷好きとぬいぐるみを縫う子です。
共感しやすいわーwww。
本当に守りたいものや大切にしたいものは目に見えるものばかりではなく、見えない時に感じるものだったりする。
世界に通用するようなでっかいことばかりでなく、地元の商店街で完結するようなことだって大事で人生の全てで、たまらなく愛おしいこともある。
そしてはじめちゃんがぬいぐるみをつくるように、まりちゃんが氷を削るように、私も形は違うけど二人のような心持ちで物を作りたいなとあらためて思うのです。
毎回読むたびに思えるので読みたくなるんだと思います。
